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米司法当局が金融機関を次々に提訴。民主党系のNY州司法長官はヤル気マンマン

 

 米国の司法当局が、サブプライム・ローンに絡んで、相次いで金融機関を提訴している。

 米ニューヨーク州の司法当局は2010年4日、住宅ローンに不正があったとしてJPモルガン・チェースを提訴した。また米司法省など複数の司法当局は10日、同じく住宅ローンの不正に関連してウェルズ・ファーゴの提訴に踏み切った。NYの司法当局は、今後他の金融機関に対しても同様の訴訟を起こす構えを見せており、金融機関は戦々恐々としている。

 住宅ローンに不正があったといわれているのは4年も前の案件。この時期になって、提訴が相次いでいるのは、当然ながらオバマ政権の選挙対策が背景にある。反ウォール街のスタンスを明確にすることで、中間層以下の支持を獲得しようとの目論見だ。

 ニューヨーク州で提訴の陣頭指揮を取るシュナイダーマン司法長官は、ゴリゴリの民主党系。現場の警察官からキャリアをスタートさせ、ハーバード・ロースクールを経て州議会議員になったたたき上げの政治家だ。

 本来ウォール街は民主党の強固な支持基盤であったが、リーマンショック以降、状況が一変し、現在では共和党との関係が濃くなっている。

 米国の金融スキャンダルは今に始まったことではない。昔から米国では、金融スキャンダルが何度も起こっており、そのたびに金融機関は儲け過ぎとの批判が繰り返されてきた。このため、金融スキャンダルは格好の政治材料であり、政治家が名前を売るための有力な手段となっている。

 たとえば、元ニューヨーク市長で、共和党の大統領候補者選挙に立候補したこもあるルドルフ・ジュリアーニ氏も司法省の検察官出身。
 ジャンクボンドの帝王と呼ばれ、当時、ウォールストリートで破竹の勢いであったマイケル・ミルケン氏をインサイダー取引容疑で告発し刑務所に追いやったほか、金融関係者を次々に提訴して金融界を震え上がらせた。
 現在ではミルケン氏の公判にはかなりムリがあったといわれているが、ジュリアーニ氏は一連の裁判で名前を売り、政治家としてのポジションを確立している。

 シュナイダーマン司法長官にとっては、一連の提訴は、自身の名前を売る最大のチャンスなのである。ウォール街と司法当局の駆け引きは当分続く可能性が高い。

 - 政治, 経済

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