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低迷する米Yahooが何とか高収益を保っているのはヤフージャパンとアリババのおかげ?

 

 インターネット大手の米Yahooは7月16日、2013年第2四半期の決算を発表した。同社は業績の伸び悩みに直面しており、昨年7月にGoogle出身のマリッサ・メイヤー最高経営責任者(CEO)が就任し体質転換を図っている。第2四半期の決算は、これらの効果がどの程度出ているのかを確認するという意味で、市場の注目を集めていた。

 結果はあまり芳しいものではなかった。売上高は前年同期比約7%減の11億3524万ドル(約1126億円)にとどまった。同社はこれまで提携企業に対価を払ってトラフィックの絶対量を確保する戦略だったが、メイヤーCEOはこの方針を転換。その結果、トラフィックを確保するためのコストは半減したが、その分トラフィックの絶対量も減少した。
 粗利ベースの収益力は結果的に以前とあまり変わっていない。営業利益は前年同期比2倍の1億3698万ドル(約136億円)となったが、これはリストラ費用の計上がなくなっただけなので、本質的なコスト削減ではない。

 同社は2013年3月にニュース要約アプリ「Summly」を買収、続いて5月にはブログとSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を手掛ける「Tumblr(タンブラー)」を買収するなど、若年層を中心とした新しいユーザー層の開拓を進めている。
 だが同社のこうした試みに対しては懐疑的な見方をする市場関係者も多い。同じネットのサービスといっても、Summlyやタンブラーの利用者は属性や行動様式がヤフーの既存顧客層とはまるで異なっている。これらの買収で獲得したユーザーをヤフーにスムーズに誘導できるのかは不透明だ(本誌記事「米ヤフーがSNS+ブログの振興企業タンブラーを買収。ただ両社の融合には疑問符も」参照)。

 少なくとも第2四半期までの決算を見る限りは、同社の収益体質に大きな変化はない。また通年の売上高予想は前年比10%のマイナスとなっており、年後半にも目立った効果はあらわれない可能性が高い。米国の投資家の要求は厳しく、投資家が待てる時間には限度がある。マイヤーCEOの買収戦略は正念場を迎えつつある。

 ちなみに同社の最終的な利益である純利益は3億3115万ドル(約311億円)と営業利益の2倍以上だ。同社の業績が伸び悩んでいると言っても、それはGoogleやAppleなどと比較しての話。他の一般企業からみればかなりの高収益体質であることに変わりはない。
 ただ、同社の営業外収益の多くは、ヤフージャパンと中国のアリババからのロイヤリティ収入や配当である。本家Yahooの利益の半分は、日本や中国など海外提携企業への投資から生まれている。

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