ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

ソフトバンクが米3位の携帯電話会社を巨額買収したワケとは?

 

 ソフトバンクが米携帯3位のスプリント・ネクステルを買収する方針であることが明らかになった。スプリント社は、全米3位の携帯電話会社。ソフトバンクはスプリント社の株式の3分の2を取得する意向で買収金額は1兆円を越す見込み。

 ソフトバンクは今月1日に、プラチナバンド獲得のウラ技として、国内4位のイー・アクセスの買収を電撃的に発表したばかり。
 両者を合わせると1兆2000億円の資金負担が発生することになり、12日の東京株式市場ではこれを嫌気して17%も値下がりして取引が始まった。

 スプリント社の経営はボロボロで足元では大赤字を計上している。ソフトバンク自体も財務体質は磐石ではなく、確かに危険を伴う買収であることは確かだ。だが北米市場においてそれなりの地位を占める会社を買収しようと思えば、業績不安のあるところしか現実的選択肢はない。

 今回の買収について、ソフトバンク側はマスコミやアナリストに対してもっともらしい説明はするかもしれないが、実際には「スプリントがたまたま売りに出たのでこんなチャンスは二度とないと考え即断即決で買った」(ITジャーナリスト)といったところだろう。

 マスコミやアナリストは皆クソ真面目なサラリーマンなので、何事も計画的に着々と進めるものだと思っている。だが、ソフトバンクは、もともと危険極まりない買収を繰り返して成長してきた会社であり、同社を率いる孫社長はそのような小役人的な発想はこれっぽっちも持ち合わせていない。

 そもそもソフトバンクはその社名が示す通り、ソフトの卸売り会社として孫社長と2人のアルバイト社員でスタートした。その後パソコンブームを背景に、パソコン雑誌の出版事業を開始し、米国のIT展示会会社を買収した。たまたま出資した米ヤフーが大化けしたことからネット事業に進出、その後は突然ボーダフォンを買収し電話会社になった。
 売りに出る会社があればそれに飛びつき、その後の展開は、買ってから考えるというのが、孫社長の基本戦略なのだ。極論すると失敗してもいいと思っている。

 もっとも、今回の買収によって、ソフトバンクは世界的規模の通信会社になる。iPhoneで厳しい要求を突きつけるアップルに対する交渉力や、周波数帯の割り振りでトラブルになっている日本政府(総務省)に対する交渉力は増強することになる。足元のシナジー効果としてはこのあたりを狙っていると考えられる。だが長期的にどう道筋を描くのかはこれからである。

 ソフトバンクへの投資は簡単だ。丁半博打でどちらかに賭ければよいのだから。

 - 経済, IT・科学

  関連記事

bananki
バーナンキ氏がヘッジファンドに転職。ブログでの発言にさらに注目が

 FRB(連邦準備制度理事会)のバーナンキ前議長が、米大手ヘッジファンドのシニア …

fontcostsakugen
これが米国の底力。中学生がネットを駆使して4億ドルの政府支出削案を提唱

 政府公文書のフォント(書体)を変更すれば、年間4億ドル(約400億円)の経費削 …

yuseijoujou
郵政グループの売り出し価格決定。成長銘柄ではなく、配当銘柄として考えるべき?

 日本郵政グループが2015年11月4日に上場する。上場するグループ3社のうち、 …

no image
タックスヘイブン(租税回避地)に対する包囲網が狭まる

 ジャージー島やマン島など、英国領の租税回避地(タックスヘイブン)が米国との租税 …

tosho05
中国ショックによる世界同時株安。日本は特に悪い条件が揃っている

 中国の景気減速懸念から、先週の株式市場は大荒れとなった。市場では下落は一時的と …

nichia
従業員の発明による特許も基本的には企業帰属へ。職務発明制度の見直しがスタート

 政府は、企業の従業員が仕事で発明した「職務発明」の特許について、その権利を従業 …

harada
マック原田社長の事業会社社長退任が象徴する、日本経済の隔絶された環境

 日本マクドナルドホールディングスは8月27日取締役会を開催し、原田泳幸会長兼社 …

snowden
米当局がスノーデン氏を正式訴追。本人はアイスランドへ亡命申請?

 米検察当局は、米国家安全保障局(NSA)による国民監視システム「PRISM」の …

sakakibara
経団連が献金再開。表面的には関係修復が目的だが、もっと深刻な理由も

 経団連の榊原定征会長は2014年9月8日、政治献金を5年ぶりに再開する方針を明 …

wallst02
米独の金利が急上昇。とうとう超低金利時代が終了するサインなのか?

 このところ米国と欧州の金利が急上昇している。極限まで進んでいた低金利に対する一 …