ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

シャープがLIXILなどに出資要請との報道。シャープペンシルの時代に逆戻り?

 

 経営再建中のシャープが、複数の事業会社に対して出資要請を検討していることが明らかとなった。各紙の報道によると、同社は9月末に第三者割当増資を検討しており、出資要請する先としては住宅設備大手のLIXILグループ、電動工具のマキタ、自動車部品大手のデンソーなどが候補としてあがっているという。

 現在シャープは2兆円の負債を抱えているが、自己資本はわずか1300億円しかなく、資本増強が必須の状況となっている。だが液晶工場の過大な投資という過去の遺産が重くのしかかっており、増資の引受先を探すのは容易なことではない。

 シャープは、当初、台湾の鴻海精密工業から出資を受け同社の傘下入りする予定であったが、鴻海の経営介入をシャープ側が望まず交渉は物別れに終わってしまった。鴻海の狙いはシャープの液晶技術であり、鴻海側には、過大な液晶投資が原因の過剰な負債も引き受けるメリットがあった。
 だが今回名前があがっている企業は、主力事業の液晶ではなく、それ以外の家電分野などにおけるパートナー企業である。これらの企業が、自社の事業とは関係のない、液晶による過大な負債をどのように評価するのかがポイントとなる。

 そもそも最大の問題はシャープ自身が、今後どのような道筋でビジネスを展開するのかというロードマップを示していないという点である。

 シャープはもともと早川金属工業という社名でスタートし、当初はシャープ・ペンシルの大ヒットで業容を拡大した会社である(現在の社名はシャープ・ペンシルに由来している)。その後、電卓を開発しハイテク企業として躍進、近年は液晶に注力して現在に至っている。
 シャープの歴史を考えると、ユニークなアイデア製品を開発する体質の会社であり、巨額の設備投資を伴う液晶デバイスのような重いビジネスを得意とはしていない。
 その意味で、液晶への特化は初めての「シャープらしくない」(証券アナリスト)ビジネスであり、結果としてそれが同社の経営危機につながったといえる。

  イオンを発生させ空気の匂いを除去するプラズマ・クラスターなどは、まさにシャープらしい製品であり、その意味で、名前のあがった企業との提携は本来の同社の方向性に近いものといえる。だがこうしたアイデア・メーカーとして存続するためには、現在のシャープの陣容は大きすぎる。巨費を投じた液晶工場は過剰な資産であり、これをどのようにして処理するのかという問題が常につきまとう。

 同社は提携企業からの出資に加えて公募増資も検討しているといわれるが、もし鴻海との提携が破談になったことをきっかけに、場当たり的にアイデア・メーカーとしての道を模索しているのであれば、市場から十分な信認を得ることは難しいだろう。

 - 経済, IT・科学 , , , , ,

  関連記事

sumahokodomo
スマホが幼児に悪影響という小児科医会の主張。もっと具体的な情報が欲しい

 全国の小児科医などで作る日本小児科医会は、乳幼児にスマホやタブレットで長時間遊 …

jutakuchuko
既存の住宅インフラを活用する動きが活発化。試される成熟国家「ニッポン」

 既存の住宅インフラを活用する動きが活発になっている。日本はすでに成熟型経済に移 …

kosobiru
日本の1人あたりGDPは14位を維持。だがこれは円高でかなりお化粧されている

 内閣府は25日、2011年度の国民経済計算確報を発表した。それによると2011 …

shuinhonkaigi
衆院でマイナンバー法案が可決。喜んでいるのは国税庁とIT業界だけ?

 衆議院は5月9日、本会議において共通番号(マイナンバー)法案を与党、民主党など …

newvaio
ソニーのVAIO分社化が完了。パソコンの手離れで市場の関心はいよいよTV事業へ

 ソニー経営再建の焦点となっていたパソコン事業分社化がひとつの節目を迎えた。投資 …

h2a
偵察衛星打ち上げに成功。スタートから10年でようやく常時運用体制が整う

 三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は27日、政府の情報収集衛星「レー …

ieiri
電話番号など個人情報をネットで晒す行為は、本当にバカで非常識なのか?

 自分の電話番号をツイッターに公開するという行為がネット上で話題となっている。き …

zaikaitop
円安で株高になるのはおかしいという財界首脳の発言が象徴するもの

 経団連、日本商工会議所、経済同友会の経済3団体は2014年1月7日、年頭会見を …

samittoabe
週内にも消費税再延期を表明。日本の財政はまさに「異次元」のフェーズに突入

 安倍首相は、来年4月に予定していた消費税10%への引き上げを再延期する方向で調 …

kaikotokku
解雇特区は雇用政策というよりも、ベンチャーや外資の優遇策である

 安倍政権は成長戦略の目玉の一つである解雇特区の導入に向けて本格的な検討を開始し …