鴻海が超大型液晶TVを格安で販売。シャープ経営陣に対するプレッシャーか?
台湾の経済日報は、シャープに出資を検討している台湾の鴻海精密工業が、11月、60型の超大型液晶TVを8万円という破格の値段で販売する予定であると報じた。
今回、破格の値段で液晶TVを出荷するのは、鴻海精密工業のオーナーである郭台銘氏が個人的に出資しているシャープの堺工場の稼働率を上げることが目的。具体的な稼働率向上の道筋を示し、鴻海との提携に及び腰になっているシャープ経営陣にプレッシャーをかける狙いがあるものと思われる。
鴻海のシビアさはハンパなレベルではない。同製品の市場投入を前に、社員向けには、すでに製品を販売しているともいわる。社員への福利厚生であると同時に、強制的に製品を買わされる実験台でもあるのだ。
価格が下がることが分かっているなら、自分が最初に価格破壊を仕掛けて、マーケットのシェアを一気に握る。さらに使えるものは社員であっても容赦なく使う。これが泣く子も黙る鴻海のやり方というわけだ。
シャープは当面の資金繰りにはメドをつけたものの、来年9月に迫ったCB償還の手当てについては白紙のままだ。どうせ鴻海の下請けになるのなら、決断は早い方がよい。
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