ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

有権者も世代交代?自民党のサラブレット武見敬三氏が山本太郎氏相手に苦戦のワケ

 

 盛り上がりに欠けた参院選は事前の予想通り、自民党の圧勝となった。衆議院で過半数を占める自民党が参議院で少数派となる、いわゆる「ねじれ」が解消することになる。とりあえず安倍政権は完全に国民の信任を得たことになり、長期政権の可能性が見えてきた。

 自民は選挙区、比例ともに順調に票を獲得しており、盤石な状況であった。だが足元では、有権者の世代交代が進んでいるという兆候も見え隠れする。特にその傾向が顕著にあらわれたのが東京選挙区である。

 東京選挙区は元アナウンサーの丸川珠代氏と武見敬三元厚労副大臣という2人の現職が立候補していた。丸川氏は圧倒的な得票数でたちまち当確となったが、武見氏に当確が出たのは最後の最後であった。

 武見氏は選挙区での出馬は初めてだが、比例区で参議院議員を3期つとめたベテラン政治家である。しかも、武見氏の父親は、かつて日本医師会のドンといわれ、日本の政界に絶大な影響力を誇った武見太郎氏である。武見太郎氏は吉田茂元首相と近い人物であり、息子の武見敬三氏は吉田茂の孫である麻生太郎元首相とも親戚だ(ちなみに麻生元首相の父親も吉田茂の側近であった)。まさに自民党のサラブレットといってよい。
 日本医師会からは、比例区に羽生田俊氏が出馬しているが、選挙区出馬の武見氏についても医師会が全面的に支援してきた。だが、有権者の世代交代が進み、医師の間でも武見太郎氏を知らない人が増えてきており、陣営では選挙結果は楽観視していなかったという。

 前回の参院選では、高齢者が70%以上の投票率だったのに対して20代はその半分である。今回もそれに近い年齢構成になる可能性が高い。若年層は有権者の絶対数が少ないことに加えて投票率も低いため、選挙に勝つためには高齢者にアピールすることが重要となる。

 だが一方で、いわゆる戦後の古い時代を知る高齢者も少なくなってきており、候補者の選定には、知名度や年齢など微妙なバランスが必要になってきている。地縁血縁の影響力が行使できない都市部ではなおさらである。
 中年以上でかつ老人ではない世代にアピールしやすい丸川氏が高い得票数を得たことからもその状況は伺い知ることができる。タレント候補の山本太郎氏が出馬したというマイナス要因があったとはいえ、自民党のサラブレットである武見氏の苦戦は、こうした自民党支持層の変化を如実にあらわしているといえるだろう。

 - 政治 , , , ,

  関連記事

setubitousi
11月の機械受注統計。内需経済の象徴である小売業で増加傾向

 内閣府は2014年1月16日、2013年11月の機械受注統計を発表した。主要指 …

no image
ドイツの財政が絶好調。税収増加のカギは、やはり企業の競争力と経済成長にあり

 ドイツの財政状況が絶好調だ。2012年の税収(国と地方の合計)は6024億ユー …

meti03
官製ベンチャーキャピタルの産業革新機構は、まるで公共工事のゼネコン

 産業革新機構は2014年1月8日、日米両国のベンチャー企業育成を手がける株式会 …

cross
米大統領選挙に見る政治と宗教。米国社会は想像以上に変化が進んでいる

 日本ではあまり報道されないが、米国の政治は宗教によって動く側面が強い。言うまで …

anchols
韓国大統領選挙。無所属の安候補が突然辞退。不透明さが漂う韓国社会

 韓国大統領選挙の野党候補一本化交渉の当事者であった安哲秀ソウル大学教授が23日 …

doitsushoibure
ドイツがとうとう国債の新規発行がゼロに。日本は何を学ぶべきか

 ドイツのショイブレ財務相は2014年9月9日、ドイツ連邦政府の2015年度予算 …

shukinpei06
中国共産党が今度は人民解放軍幹部の党籍を剥奪。習氏への権力集中は完成段階に

 中国共産党は2014年6月30日、政治局会議を開催し、人民解放軍幹部の徐才厚・ …

abe201407
安倍政権が内閣改造へ。背景にあるのは来年の解散総選挙?

 安倍首相が内閣改造を実施する方針を固めた。集団的自衛権行使容認に関連する法整備 …

rarogo
発射延期となった韓国初の人工衛星搭載ロケット。実はほとんどがロシア製

 韓国初の人工衛星搭載ロケット「羅老号」の打ち上げが延期となった。発射の直前にガ …

jisinmap
熊本は「安全地帯」で東北は「危険地帯」というサイトが出来上がってしまう理由

 熊本県は2016年4月20日、「東北は地震の危険地帯」などと記載していた熊本県 …