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消費税増税の決定は9月9日のGDP改定値で。財務省の筋書き通り数値は良好?

 

 自民党の参院選圧勝をうけて、消費税増税決定のタイミングに注目が集まり始めている。安倍首相は選挙後のテレビ番組に出演し、消費税率の引き上げについて「経済指標を見ながら秋に判断したい」と語り、4~6月期の国内総生産(GDP)を目安に判断する方針を示した。

 また菅義偉官房長官は22日午後の記者会見において、安倍首相の発言について「(GDP発表には)第1と第2がある。そういう数字を見た上で判断するということだと思う」と述べ、9月9日に発表が予定されているGDP第二次速報値(改定値)を見て判断する意向であることを明らかにした。

 今年の1~3月期GDPは一次速報値が年率換算で3.5%、二次速報値が4.1%となった。エコノミストなど市場関係者のほとんどは、4~6月期についても同レベルの良好な数値が出ると予測している。

 その理由は、今年1月に成立した2012年度補正予算(総事業費20兆円、政府支出10兆円の緊急経済対策)の効果である。公共事業は予算が立てられてから実際に執行されるまでにタイムラグがある。1月に決定した公共事業の増加は、最近になってようやく建設業界への受注額増加という形で顕在化してきている。今年いっぱいは公共事業の効果が続く可能性が高い。IMF(国際通貨基金)もこれをうけて日本の経済成長見通しを上方修正している(本誌記事「IMFが最新の世界経済見通しを発表。日本は大型公共事業の効果で主要国トップの成長率」参照)。
 日本の財政に対して厳しい目が注がれる中、大量の国債増発を伴う緊急経済対策を財務省がすんなりOKしたのは、この時期のGDPが上昇し、消費税増税につながるからにほかならない。公共事業の現実的な執行スケジュールと景気への波及時期を熟知した財務省ならではの深謀遠慮といえる。

 緊急経済対策による公共事業の効果は来年度には消滅する。実際に消費税が導入される年には景気が冷え込んでいる可能性もある。政府与党の一部や安倍首相の経済ブレーンからは景気の腰折れを懸念する声も出ており、本来はそのあたりも含めてシビアな判断が求められる。だが、今のところ政治的ポーズではなく、消費税増税を延期しようという動きはない。このまま推移すれば良好な4~6月期のGDP値を元に、消費税増税が予定通り決定される可能性が高い。

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