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すべて米国に言われるがまま。スノーデン事件で明らかになった欧州の弱腰

 

 米国情報機関の監視を暴露したCIA元職員エドワード・スノーデン氏の処遇をめぐって、欧州と米国の力関係の実態が明らかになっている。

 南米ボリビアのモラレス大統領は7月24日、大統領専用機が領空通過を拒否され強制着陸させられた件について、欧州4カ国からの謝罪を受け入れると発表した。呼び戻していたボリビア大使も、大使館に再び派遣するという。

 この事件は7月2日、ロシアからボリビアに帰国途中だった大統領専用機が、フランスやスペインなど欧州各国によって上空通過を拒否され、オーストリアの空港に強制着陸させられたというもの。

 モラレス大統領は、反米主義で知られており、米政府機関による情報監視を暴露したエドワード・スノーデン氏の亡命を受け入れる用意があると発言していた。このため、大統領が乗った飛行機がモスクワを離陸すると、スノーデン氏が同乗しているとの噂が流れ、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガルなどが上空通過を拒否した。このため、専用機はオーストリア・ウィーンの空港に着陸することになり、モラレス大統領は空港内のラウンジで立ち往生することになってしまった。

 ボリビアは南米の小国とはいえれっきとした主権国家。大統領が乗った専用機が、何の根拠もなく上空通過を拒否されるというのは国際法上あってはならない事態といえる。欧州各国は米国の反応を過剰に心配し、頼まれてもいないのに、単なる噂レベルで一国の大統領専用機の領空通過を拒否してしまったわけだ。4カ国はこの件に対してボリビア政府に謝罪していた。
 このほかドイツでは、国内の情報機関が米国の支持に従い、国内で広範囲な情報監視を行っていたという事実も明らかになっている。秋の総選挙を前に、政治的なスキャンダルにもなりかねない状況となっている。

 欧州は建前上、米国の方針とは一線を画す独自のスタンスを強調しているが、実際には日本と同様、米国の目を常に気にしているという実態が露呈してしまった。一方ロシアは、事実上スノーデン氏をロシアに足止めする一方で、亡命申請を受け入れる方針を明らかにするなど(まだ正式に申請は受理されていない)、スノーデン事件を交渉材料に米国を振り回している。
 EU(欧州連合)は現在では経済的な部分にのみ焦点が当たっているが、元来は米国に対する交渉力(およびドイツの封じ込め)という極めて政治的な動機で設立されたものである。だがスノーデン事件は、EUという国家連合をもってしても、米国に対して強く出られな欧州の現実をよく表している。

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