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中国最大の汚職事件の中心人物、薄熙来氏が起訴。だがせいぜい禁固刑との噂

 

 かつて中国、重慶市のトップとして君臨し、政治局常務委員入りが確実といわれながら汚職によって失脚した薄熙来氏が7月25日中国当局から起訴された。失脚以来、約1年半にわたって公の場に姿を見せていなかったが、とうとう被告の身となった。

 薄氏は父親がかつて国務院副総理を務めており、太子党(共産党幹部の師弟を中心とした保守的な派閥)のホープとして頭角をあらわした。
 2007年に内陸部の主要都市である重慶市のトップに就任し、大胆な外資導入による経済発展政策を主導、一時は年16%という驚異的な経済成長を実現させた。
 重慶市の成功は「重慶モデル」として全国で模倣された。だが薄氏は絶大な権力を背景に不正蓄財にも励み、5000億円近い財産を築いたともいわれている。

 中国全土で無理な経済成長の歪みが顕在化し、共産党幹部の腐敗が批判されるようになると、薄氏のスキャンダルが表面化、夫人らによる英国人事業家殺害事件などをきっかけに薄氏はすべての役職を解かれ失脚した。背後には、太子党と対立関係にある胡錦濤グループとの派閥争いがあり、胡錦濤前国家主席との権力闘争に負けたという側面もある。

 現在の国家主席である習近平氏は太子党に属しており、表面上は薄氏と同じ派閥ということになる。だが共産党ナンバー2の李克強首相は対立する胡錦濤グループであることに加えて、現在は共産党幹部の腐敗一掃が重要な政治課題になっている。習近平政権は薄氏に対しては厳罰で臨む方針といわれる。

 ただ厳罰とはいっても、現実には共産党幹部に対する処罰は甘い。中国では一定金額以上の収賄は死刑だが、元鉄道相で同じく収賄罪などで起訴された劉志軍被告の場合には、執行猶予2年の付いた死刑判決が言い渡されている。2年間模範囚であれば終身刑に減刑になるというもので、終身刑に減刑になればかなりの確率で刑務所を出られるという。また本人の財産は没収されているが、親族は対象外で、劉被告は出所後の生活には困らないとの噂も根強い(本誌記事「中国鉄道省元トップに執行猶予付きの死刑判決。事実上の減刑に国民からは批判の声」参照)。

 薄氏の場合、劉氏とは異なり共産党の準最高幹部ということもあり(中国では共産党幹部に比べて大臣の地位はかなり低い)、数年の禁固刑になる可能性が高いという。
 ただ中国では最高指導者に近いレベルの人物が起訴されること自体が、かなりインパクトのある出来事であり、同様の出来事は1976年に文化大革命を主導したとして、江青氏など、いわゆる4人組が逮捕、起訴されて以来のことである。

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