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本心?それとも外国人向けポーズ?安倍首相がシンガポールで既得権益層との対決を宣言

 

 安倍首相は7月26日、シンガポールを訪問し、リー・シェンロン首相との会談を行ったのち、シンガポール・レクチャーと呼ばれる会合で講演を行った。講演では国内でのスタンスとはうってかわって、TPPを武器に強力な政治力を使って、農業など既得権益層と徹底的に戦う姿勢を強調した。

 講演の多くは安倍政権の経済政策であるアベノミクスに関する説明に費やされた。中でも3本の矢のうちの3番目である成長戦略には多くの時間が割かれた。
 国内では参院選を控えていたこともあり、TPPについては「守るべきものは守る」というスタンスを強調していた。だがシンガポールの講演では、外国人投資家など諸外国の目を強く意識し、TPPをテコに構造改革に全力で取り組む方針であることを明らかにした。

 安倍首相は「必要なのは大胆な規制改革であり、TPPのような外部からの触媒です」と述べ、TPPをいわゆる外圧として有効活用する方針を明らかにした。また規制改革を行うためには「既得権益層に立ち向かう強い政治力が必要」とし、参院選に勝利した政治力を背景に農業団体など既得権益層に対して徹底的に戦う意向であることも強調した。

 安倍政権は、成長戦略の3本の矢が外国人投資家から不評で株価の上昇がストップしていることを強く警戒している。今回の発言はこうした海外の投資家を強く意識したものと考えられている。
 外国人投資家が構造改革として期待しているのは、すでに市場開放が既成事実となっている農業ではなく、雇用規制の緩和といわれている。だが雇用規制の緩和は、国内サラリーマン層の強い反発が予想されるため、手をつけにくいという背景がある。
 農業については自民党の支持基盤という意味では重要だが、農業分野の市場開放に強硬に反対している人の絶対数は少ない。また今回、参院選が終わったことで当分の間選挙がない。海外投資家へのアピールとして、まずは農業分野をターゲットにする戦略と考えられる。

 安倍首相はこれまで、構造改革派としての顔と保守的な現状維持派としての顔をうまく使い分けてきた。今回のシンガポールでの講演もその一環であり、これは、構造改革に突き進み挫折した前回(2006年の第一次安倍内閣)の教訓を生かした結果だといわれている。だが市場では「本当はどちらを向いているのか?」(投資ファンドマネージャ)といったような首相の本心を訝しむ声も出てきている。
 参院選に勝利し、消費税増税の決断も目前に迫ってきている今、そろそろアベノミクスの本当の顔を国民に示すべき時期が近付いてきている。

 - 政治, 経済 , , , , , , ,

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