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外務省の斎木次官が訪中。だが今のところ日中首脳会談開催のメドは立たず

 

 外務省の斎木事務次官は7月29日、中国を訪問し、中国外交部(外務省)の王毅外相と会談した。尖閣諸島問題をめぐって悪化している日中関係の打開策を探ることが訪中の目的だったが、今のところ目立った成果は得られていない。

 斎木次官は記者団に対して「率直な雰囲気の中で、意見交換をした」と説明し、今後も複数のチャネルを通じて、意思疎通を継続していく方針であることを明らかにした。だが注目されている安倍首相と習近平国家主席との首脳会談の開催については、コメントしなかった。
 中国外務省も、斎木次官とほぼ同様の事務的なコメントを出すにとどまっており、会談の具体的な内容は明らかになっていない。

 一部の中国メディアは、日本側が日中首脳会談の開催を提案したが、中国側が拒否したと伝えている。また中国側は、日本が領土問題の存在を認めない限り首脳会談を行うつもりはないことを中国側が通告したとも報じられている。

  報道内容の真偽は不明だが、今回の会談は日本側の強い要望で実現したものである可能性は高い。安倍首相は7月25日から3日間の日程でマレーシア、シンガポール、フィリピンを歴訪した。安倍首相は国内では中国に対して強硬的な発言を繰り返しているが、現地では日中関係はもっとも重要な二国間関係の一つであり、中国との首脳会談を望んでいるというかなり融和的な趣旨の発言を行っている。また飯島内閣官房参与は7月中旬に中国を訪問し、日中首脳会談実現に向けて調整を行っていたことも明らかにしている(中国外務省は高官との接触を否定)。

 今回の斎木次官との会談によって日中首脳会談開催のメドが立たなくなったのか、条件をめぐって水面下の交渉が続いているのかは不明である。ただ中国側は内外に対して、尖閣諸島は中国固有の領土であり、これを譲ることはできないとの立場を繰り返し表明している。中国は安易に譲歩できない状況となっており、日本側から思い切った提案がなければ、容易に首脳会談の開催には応じない可能性が高い。少なくとも首脳会談の開催で、冷え切った日中関係を早期に解決というシナリオが成立しにくいことだけは確かだろう。

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