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米国で良好な経済指標が相次ぐ。再び早期の出口戦略論が台頭か?

 

 米供給管理協会(ISM)が8月1日に発表した7月の製造業景気指数は前月の50.9から大幅に上昇し55.4となった。55を超えるのは2年ぶりのことであり、市場の予想を大幅に上回る結果となった。
 また7月31日に発表された4~6月期のGDP成長率も年率換算で1.7%と事前の予想を上回った。米国では歳出の強制削減によって4~6月期の景気は低迷するとの予測が大半だっただけに、良好な数字に市場関係者は驚いている。

 これらの指標の牽引役になっているのは旺盛な設備投資である。企業の新規受注が増加し在庫も減少していることから、多くの企業が今後も好調な受注が続くと判断している。
 このため、追加の設備投資に踏み切るところが増えてきており、経済指標を押し上げる要因になっている。欧州不安が落ち着きを取り戻していることが経営者の心理的負担を軽くしているとの指摘もある。

 これまでの米国経済は旺盛な個人消費に支えられた消費主導の景気回復であった。だが欧州景気の低迷と中国経済の失速で輸出が伸びず、製造業は低迷が続いてきた。製造業の回復が遅れていることで失業率の改善スピードが緩慢なものになっており、これが米国経済最大の弱点にもなっていた。
 今回、製造業の指標が大幅に改善したことで、米国経済に最後に残された足かせがなくなる可能性が出てきた。指標改善が一時的なものではなく、今後も継続するようであれば、米国経済の成長は一気に加速するかもしれない。

 良好な経済指標が続いていることで注目されるのは、やはりFRB(連邦準備制度理事会)の出口戦略である。7月31日のFOMC(連邦公開市場委員会)の声明では、内容には大きな変化はなく、景気判断を慎重に見ていることを示唆する文言が盛り込まれた。
 バーナンキ議長が今回の良好な経済指標をあらかじめ織り込んでいたのだとすると、あえて慎重なスタンスを強調することで、出口戦略を見越した動きが市場で加速することを防ぐ狙いがあったと考えられる。このまま良好な数値が続けば、FRBが早期の緩和縮小に動く可能性はさらに高まったといえるだろう。

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