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国際的な租税回避地を使った脱税者リスト。日本人のものは多くが空振り?

 

 国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が公表したタックスヘイブン(租税回避地)における資産隠匿者リストが国内でもちょっとした話題になっている。
 同団体は2013年4月、各国の報道機関と協力し46カ国、86人のジャーナリストを動員して、過去30年にわたる取引の調査を行ったと発表していた。調査の対象となったのは英領ヴァージン諸島など著名な租税回避地への資産隠匿で、170カ国、13万人分の情報があるという(本誌記事「ジャーナリスト連合による衝撃の世界脱税リスト」参照)。

 欧州では租税回避地への資産隠匿が大問題となっており、フランスでは租税回避地に口座を持っていることを隠していた閣僚が辞任するなど政治スキャンダルにも発展している。各国では同団体が公表するリストに誰の名前が掲載されているのかをめぐって戦々恐々となっている。

 同団体は6月からリストの公表を行っており、そこにはフィリピンのマルコス元大統領の娘の名前やロシアの国営企業幹部の名前などが掲載されている。調査対象となっている租税回避地はヴァージン諸島など欧州にとって馴染みのある場所が中心だが、中にはシンガポールなどアジア地域での口座情報もあり、日本人や日本企業の名前も一部掲載されている。

 ただ実際にリストに掲載されている日本人の口座情報を見てみると、不正資産を租税回避地に隠匿というイメージとはかなり異なっているようだ。
 リストには人材派遣やネット事業で有名な日本の上場企業や著名なベンチャーキャピタル会社など、ごく普通の企業名も多く掲載されている。開設された口座は、アジアの現地企業との決済や投資資金の管理に使われているもので、ごく普通の用途と考えられる。当然、税の申告も正しく行われている可能性が高い。高級マンションの一室が住所となっている個人名偽の口座もあるが、名義人の多くは外国人と思われるものである。

 中には日本人の個人名義でかなりの億万長者とおぼしき人物の情報も含まれており、一部は資産隠匿に使われているものなのかもしれない。また、かなり古い中古マンションの一室が指定住所になっているものもあり、こういった名義人は単なる代理人に過ぎず、実際に資金を動かしている人物は別にいる可能性もある。

 全体として言えることは、リストに掲載されている日本人もしくは日本企業の数はかなり少なく、同団体のリストを見る限りでは、海外への資産隠匿はそれほど活発ではないようだ。
 日本はいい意味でも悪い意味でも、金融市場が閉鎖的で海外との取引が少ない。日本が国際的な金融ビジネスでリーダーシップを発揮できない最大の理由でもあるのだが、一方でこういった資産隠匿なども少ないようである。これはポジティブに捉えるべきことなのか、ネガティブに捉えるべきことなのかは、市場開放に対する考え方次第だろう。

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