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もうここからは下がりようがない?欧州の高い失業率に下げ止まりの兆候

 

 欧州経済低迷の象徴といわれ、大きな社会問題にもなっているEU各国の失業率に下げ止まる兆候が見え始めた。EU(欧州連合)統計局が7月31日に発表した6月の失業率はEU27カ国で10.9%となり5月から0.1ポイント改善した。またユーロ圏17カ国では12.1%となり、前月から横ばいとなった。欧州問題は根本的には何も解決していないが、循環的な底入れタイミングに入った可能性が出てきた。

 国別ではスペインが26.3%と前月より0.1ポイント低下、イタリアも12.1%と0.1ポイントの低下、ドイツは相変わらず良好で前月比プラスマイナスゼロの5.4%であった。
 フランスは10.9%から11.0%に悪化したが、スペインやイタリアなど経済状態が悪い国に中心に失業率の下げ止まり感が出てきている。

 欧州では債務問題などについて根本的な対策は取られておらず、特に状況が改善しているわけではない。ただ失業率が上昇してから長期間が経過していることから、景気循環的要因で失業率も一旦は底入れとなった可能性が高い。

 米国では欧州景気の落ち着きを敏感に反映し、 企業経営者のマインドが改善している。米供給管理協会(ISM)が8月1日に発表した7月の製造業景気指数は前月の50.9から大幅に上昇し55.4となった。55を超えるのは2年ぶりのことであり、市場の予想を大幅に上回った。指数上昇の主な原因は企業の設備投資であり、欧州景気が小康状態に入ったことで経営者の設備投資意欲が向上している。
 欧州との貿易が活発な中国も同様だ。中国の製造業は生産縮小が続き、景気失速が懸念されている。ただ中国国家統計局が発表した7月の製造業PMI(製造業購買担当者景気指数)は50.3と6月よりも上昇、景況判断の分かれ目である50を何とか上回った。

 現在の世界経済は好調な米国が一人で世界を引っ張る構図になっている。欧州の先行き不安から、米国経済の伸びが鈍化し、これが中国経済失速の引き金を引くという、最悪のシナリオは避けられる可能性が高くなってきた。

 もっとも若年層の失業率は先月よりも悪化している。ユーロ圏は0.1ポイント上昇で23.9%、フランスは0.3ポイント上昇で25.7%、スペインは0.3ポイント上昇で56.1%であった。
 若年層の状況は当分解消される見込みはないが、生活に必要な最低限の経済活動レベルというものが存在することを考えると、これ以上、大幅に失業率が低下する可能性は低いと考えられる。欧州に小康状態の兆しが出ているのは、これ以上下げようがないくらい失業率が低下した結果といえるだろう。

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