ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

設備投資の先行指標である機械受注は2.7%減。消費増税の焦点は設備投資へ?

 

 内閣府は8月13日、6月の機械受注統計を発表した。機械受注統計は、民間設備投資の先行指標といわれ多くの関係者が注目している。結果は主要指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)が前月比2.7%減となった。10.5%という大幅なプラスとなった先月の反動とみられる。

 減少幅は小さかったものの、設備投資がマイナスになったことで、今後の景気見通しについては、まだ流動的な状況が続くことになる。
 8月12日には消費税増税の目安となる4~6月期のGDP速報値が発表された(正式には9月9日に発表となる確定値が消費税増税の目安となる)。
 市場予想は下回ったものの、公共事業の効果からまずまずの数値だったが、内訳を見ると設備投資の不透明さが浮き彫りになっている。消費税増税の焦点は、足元の景気動向から、設備投資を軸とした今後の景気見通しに移ってきている(本誌記事「注目の4~6月期GDPは実質で2.6%、改定値もこの水準であれば消費税増税?」参照)。

  今回、指標がマイナスとなったのは非製造業の数値が大きく落ち込んだからである。6月の数値は製造業が2.4%増だったのに対して非製造業は17.5%のマイナスであった。非製造業の設備投資はバラツキが大きく、月ごとの増減が激しい。今回のマイナスがただちに全体のトレンド低下を意味しているわけではない。

 ただ逆にいうと、このことは、設備投資の指標は製造業ではなく、非製造業の動向に大きく左右されているということでもある。機械受注の統計はこれまで製造業の影響が大きく、数値が大きくブレることはあまりなかった。だが最近では相対的に非製造業の設備投資額が増加してきており、指標の動きも非製造業に左右されるようになってきた。
 日本は成熟国家になりつつあり、製造業の地位低下はある意味で時代の流れともいえる。非製造業が中心となって設備投資をリードすることは悪いことではないが、現実の経済システムや政策はその流れに追いついていない。基本的に製造業の設備投資が復活しないと、景気が回復しないと認識されている。その意味では、製造業の設備投資は長期にわたって横ばいが続いており、状況はあまり改善していないことになる。

 分野別では、基本的に自動車がリードするという構造に変わりはない。これまで大きく落ち込んでいた電機に回復の傾向が見られるほか、精密機械も上昇した。これらは基本的に米国の景気回復に大きく依存している。一方内需を反映するITは下落トレンドが続いている。

 現在、永田町は夏休みモードに入り閑散としている。だが夏休み明けには、消費税増税をめぐって、今後の設備投資動向やその対策に焦点が当たることになるだろう。

 - 政治, 経済 , , ,

  関連記事

kourousho
社会福祉法人改革をきっかけに、公益的事業全般に関する議論の強化を

 厚生労働大臣の諮問機関である社会保障審議会において、介護や保育の事業を行ってい …

kanntei
2020年度の財政黒字化は困難との内閣府試算。消費税15%以外に方法はないのか?

 政府は8月8日、閣議を開催し財政健全化の道筋を示す「中期財政計画」を閣議了解し …

no image
ヨーロッパ各地で独立運動が勃発。欧州統合は本当に可能なのか?

 ヨーロッパ各地で地域の独立運動に火が付いている。欧州統合とはまったく逆の流れで …

amazonhaiso
米アマゾンが個人に配送を依頼するアプリを開発中。数年後、社会は激変する?

 米アマゾンが、商品の配送について、運送会社ではなく一般の個人を活用する方式を検 …

restaurant
米国の一部で広がるチップ廃止の動き。その背景にあるのはグローバル化?

 レストランにおけるチップの習慣を廃止する動きが米国の一部で広がっているとニュー …

beerneage
ビールの店頭価格が上昇。背景にあるのは政府による安値販売の規制

 このところビールの店頭価格が上昇している。昨年の法改正によってビールの安値販売 …

kyuryo
政府の賃上げ要請でも平均給与は上がらない?その理由は非製造業へのシフト

 政府は復興特別法人税の前倒し廃止といった企業減税を実施するにあたり、減税分が従 …

gekyutoki
GEが家電部門を売却交渉。金融部門の分離に続いて、インフラ事業への集中が加速

 スウェーデンに本社を置く、欧州の家電大手エレクトロラックスは2014年8月14 …

kokusaishushi201303
日本の経常収支。マスコミ報道では「黒字激減」だが、足元の状況は少し異なる

 財務省は5月10日、3月の国際収支を発表した。貿易収支は2194億円の赤字だが …

ohtahiroko
政府税調が法人減税改革案をまとめる。減税先行となり、優遇見直しは難航必至

 政府税制調査会は2014年6月27日、法人課税専門委員会(大田弘子座長)がまと …