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安倍首相が靖国参拝を見送った背景。秋の臨時国会における重要課題を最優先か?

 

 安倍首相は終戦記念日の靖国神社参拝を見送った。自民党総裁として私費で玉串料を奉納するにとどめる。日本の歴史認識について強く批判している中国と韓国に対して一定の配慮を示した格好だ。

 安倍氏が8月15日に靖国神社を参拝しない可能性は以前から指摘されていた。それは中国や韓国に対する外交姿勢というよりも、今後の政権運営をにらんだ現実的な選択といえる。

 安倍政権は、秋の臨時国会において消費税の増税と集団的自衛権に関する憲法解釈の見直しという、歴代内閣の中でもトップクラスの重要案件を抱えることになる。この二つは今後の政権運営にとって極めて重要であり、政権の将来を左右する。長期政権が見え始めている今、可能な限り、政権維持にとってマイナスとなる事態を避けておきたいというのが本音だろう。

 安倍氏にとって追い風となっているのは、時間がたっぷりあることだ。参院選に勝利したことで、しばらくは重要な国政選挙から解放される。だがこの間に、消費税の増税、集団的自衛権に関する憲法解釈の見直し、さらにはアベノミクスの成長戦略の策定と財政再建という極めて大きな政治課題をクリアしなければならない。
 特に消費税の増税は、下手をすると政権の命取りになりかねないデリケートな問題である。9月9日のGDP確定値を元に判断することになるが、ここで8%の増税を決めても、その後2015年10月には10%への増税が待っている。足元のGDPは補正予算による公共事業の効果でよい数値が出ているが、来年度のGDPは大きく減少することが予想されている。10%への増税も難儀する可能性が高い。

 もし秋の臨時国会で消費税の増税と集団的自衛権の解釈問題に一定のメドがつき、来年度の景気がそこそこの状態を維持できれば、政権基盤はかなり強力なものになるだろう。
 中国や韓国に対する外交問題や憲法改正といったテーマは、その後に浮上してくる可能性が高い。しばらくの間は、安倍氏による現実的な選択が続くことになる。

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