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欧州景気に底入れの兆し。失速寸前といわれる中国経済の助け船になるか?

 

 欧州連合(EU)は8月14日、ユーロ圏17カ国における2013年4~6月期のGDP成長率を発表した。大方の予想に反して前期比で0.3%、年率換算では1.1%の増加となった。プラス成長になるのは7四半期ぶり。欧州問題の根本的な解決にはほど遠いものの、当面の経済情勢としては底入れが見えてきた可能性が指摘されている。

 このところ、欧州のGDP成長率は過去最悪の状況が続いていた。2013年1~3月期におけるユーロ圏17カ国のGDP成長率は前期比マイナス0.2%、EU27カ国の成長率もマイナス0.1%であった。

 欧州危機が表面化して以降、ドイツを中心に好調な経済が続く北部プロテスタント圏に対して、スペイン、イタリアなど債務問題を抱える南部カトリック圏が足を引っ張るという構図が明確になっていた。特に主要国であるフランスがマイナス成長となっている影響が大きく、ここ半年はドイツもその状況に引っ張られ、昨年の10~12月期にはマイナス成長に転じたこともあった。

 このままでは好調なドイツまで失速してしまうとの懸念が高まっていたが、今回の発表ではそれがだいぶ打ち消された。ドイツはプラス0.7%、フランスがプラス0.5%という良好な数字だったからである。スペインはマイナス0.1%、イタリアはマイナス0.2%と依然低調だが、ドイツ、フランスという主要国が大幅プラスになったのは大きい。

 欧州の景気動向は日本にとってはそれほど重要ではないとされてきたが、最近では状況が異なっている。欧州の動向は米国経済と中国経済に大きな影響を与えているのだが、現在の日本経済は米国の景気回復に大きく依存しているほか、中国の失速懸念が大きな不安材料になっているからである。

 米国経済は好調な内需に支えられ順調に回復が進んでいる。だが唯一の懸念材料が製造業である。製造業は国際的に展開する企業が多く、欧州景気が一向に良くならないことから設備投資に二の足を踏んでいた。このところ米国の製造業の設備投資が増加してきているが、これは欧州動向を楽観視する経営者が増えてきていることが原因と考えられている。欧州の底入れが鮮明になれば、米国経済の回復にもさらに弾みがつくだろう。
 中国にとってもそれは同様である。欧州は米国と並んで中国の最大の貿易相手である。中国は不動産の過剰融資からバブル崩壊の危険性が指摘されている。中国経済が失速を回避するためには、製造業の生産回復がカギとなるが、それは欧州の景気次第である。

 欧州の失業率は依然として高水準で、構造的な問題は何も解決していない。だが、失業率もあまりに高い水準となっていることから、状況は、これ以上悪くなりようがないといった半ば投げやりな見方も出ていたが、それを裏付ける形となった(本誌記事「もうここからは下がりようがない?欧州失業率に下げ止まりの兆候」参照)。とりあえず底入れが確認されれば、世界経済にとっての影響は極めて大きいといえるだろう。

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