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電話番号など個人情報をネットで晒す行為は、本当にバカで非常識なのか?

 

 自分の電話番号をツイッターに公開するという行為がネット上で話題となっている。きっかけはツイッターで6万人のフォロワーを持つといわれるネット起業家の家入一真氏。
 ネット上では家入氏に続いて自身の電話番号を公開する人が現れる一方、無責任な行為だと批判している人も多い。一見、非常識極まりないように見える家入氏の行動だが、これまで当たり前と思っていた個人情報に対する考え方が必ずしも正しいとは言い切れないということを示唆しており、非常に興味深い出来事といえる。

 家入氏は自身のツイッターで「やってみないとわからない事なんて世の中にはたくさんある」と述べており、常識にとらわれる過ぎると視野が狭くなる可能性を指摘している。
 確かに不特定多数の人に電話番号を公開すれば、どんな人から電話がかかってくるか分からないので、いろいろな危険が伴うのは事実だろう。一方で、個人情報に対する日本人の意識は過剰ではないかという意見もよく聞かれる。
 実際、ほんの十数年前までは多くの人が、電話番号、名前、住所を電話帳に掲載していた。ネットが存在していないなど、現代とは社会情勢が異なるとはいえ、それほど大きなトラブルがなかったのも事実である。

 また個人情報に対する考え方や価値観は国によってかなり異なっている。米国では自分の電話番号やメールアドレスをネットで公開する人は結構多い。また名前から住所や家族構成、電話番号を探すサービスも普及しており、かなりのレベルの個人情報がネットで公開されている。日本では想像もつかないかもしれないが、米国では誰がいつ、いくらの住宅ローンを組んで、どの家を買ったのかといった情報はネットでたやすく調べることができるのだ。
 米国では、見知らぬ他人の生活にはあまり興味を示さない人が多く、引っ越しなど地域間移動も多い。こうした社会環境も、個人情報の流出に対する抵抗感が少ない原因のひとつかもしれない。
 また米国はビジネス上の規制が緩く、かなり以前から誰でも自由に電話番号が取得できる環境にある。固定電話の番号取得には厳しい条件が設定され、電話番号が事実上政府の管理下に置かれている日本とはそもそもの位置付けが異なるという事情もある。

 米国とは逆に、濃密な人間関係が生活に大きく影響し、変化が少ない日本社会では、ひとたび電話番号などがネット上に公開されてしまうと、後々まで影響してくる可能性が高い。現実を考えれば、個人情報をネット上で公開するという行為は不利益の方が大きいだろう。
 ただ、パスポート番号や免許証番号とは異なり、電話番号やメールアドレスはいつでも交換が可能なIDである。このような交換可能なIDは、どこまで自分と一体のものであるべきなのか?家入氏の一風変わった行動をきっかけに、じっくり考え直してみるのもよいだろう。

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