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新興国の通貨や株価が大暴落。緩和縮小開始までの投機的な動きか?

 

 インドやタイ、マレーシアといった新興国の通貨や株式の下落が激しくなっている。インドの通貨ルピーは一時、1ドル=64ルピーを超え、最安値を更新した。原因は近く米FRB(連邦準備制度理事会)が開始する予定の量的緩和縮小である。緩和縮小が新興国からの投資資金引き上げを招くとの指摘は以前からあったが、縮小開始の時期が刻々と近づいてきていることや、夏休み明けで市場参加者が一気に動き始めたことなども手伝って、予想以上の下落となっている。

 米国は順調に景気が回復してきており、量的緩和を継続することの弊害が大きくなってきている。FRBのバーナンキ議長は、良好な経済指標が続けばという条件付きながらも、年内にも量的緩和縮小を開始する意向を表明していた。
 実際に緩和縮小が始まる時期については様々な噂が流れているが、半数以上の市場関係者が9月の開始を予想している。
 バーナンキ議長は9月に縮小開始との観測が一人歩きして金利の上昇が進むことを警戒しており、最近は慎重な発言が目立っている。このことから、一部には10月あるいは12月ではないかとの声も出ていた。

 だが、米国の金利は緩和縮小をにらんでさらに急上昇しているほか、新興国からの資金流出が強くなってきている。やはり市場は9月の縮小開始を見込んでいると考えてよいだろう。
 もし市場の予想通り、FRBが緩和縮小を9月に開始すれば、現在の市場の混乱は逆に収束する可能性が高い。現在のところ世界経済は、好調な米国、底入れが見えつつある欧州、不振が続く新興国という図式であり、長期的に資金が米国に向かうことは大きな流れになっている。足元で市場が荒れているのは、9月の縮小開始というタイミングを見ての投機的な動きが存在しているからである。緩和縮小というイベントが終了すれば、こうした動きも一段落することになり、資金流出はもう少しゆっくりとしたものになるだろう。

 問題はFRBが9月の縮小開始に踏み切らなかった場合だ。量的緩和は好調な米国経済を反映したものなので、長期的には米国の株高要因となる。だが緩和縮小直後は、市場への資金供給が減少するとの見方から、短期的には株価が下落すると予想されている。ところが株式市場では緩和縮小が始まるギリギリまで株高が続くと見る参加者が多く、それまでは稼げるだけ稼いでおこうと、一種のババ抜きゲームのような状況となっている。
 緩和縮小が10月以降になった場合、縮小は近いと判断され、新興国からの資金流出は続くことになるのか、それとも逆にまだ時間的余裕があると認識され、新興国の株価や米国の株価が再び上昇することになるのか、現時点では判断が付きにくい。当分の間、市場の乱気流は続きそうである。

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