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薄熙来被告の初公判が始まる。公判では検察と全面対決の様相だが・・・・

 

 中国共産党の最高指導部入りが確実視されながら権力闘争で失脚し、収賄や横領の罪に問われていた薄熙来被告の初公判が8月22日始まった。当初は起訴内容をすべて認めると思われていたが、法廷では一転、1件の罪状については完全に否認するなど、検察との対決姿勢を鮮明にした。

 薄氏に対しては、収賄、横領および職権乱用の罪が問われている。このうち収賄については、特定企業に便宜を図る見返りに、企業幹部から2180万人民元(約3億5000万円)を受け取ったとされている。
 また横領については、公共プロジェクトの資金500万人民元(8100万円)を横領し、個人的な用途に使ったとされる。
 薄氏はこれらについて、あいまいな証言をもとにした状況証拠に過ぎず、信憑性に欠けると主張した。有力な証拠とされる妻の証言についても、精神状態に問題があり証拠能力がないとした。取り調べの段階では大筋で罪を認めていたとされるが、公判ではスタンスを大きく変更させた。

 薄氏が主張する内容の真偽に関わらず、薄氏に対しては禁固刑が科される可能性が高く、すでに党政治局内では量刑も決められているという。薄氏の事件は、基本的に権力闘争で薄氏が敗北した結果として発生しており、起訴された内容について議論してもあまり意味はないというのが大方の見方だ。
 薄氏は父親がかつて国務院副総理を務めており、太子党(共産党幹部の師弟を中心とした保守的な派閥)のホープとして頭角をあらわした。2007年に内陸部の主要都市である重慶市のトップに就任し、大胆な外資導入による経済発展政策を主導、一時は年16%という驚異的な経済成長を実現させた。だが薄氏は絶大な権力を背景に不正蓄財にも励み、5000億円近い財産を築いたともいわれている。

 薄氏が属する太子党と激しく対立していたのが、胡錦濤前国家主席を中心とするグループである。胡氏は共青団と呼ばれる党の若手エリート集団の出身。有力政治家の師弟を中心とする太子党と、党の学歴エリート出身者の派閥争いという構図であり、二世三世を中心とする太子党は保守的、胡錦濤グループは改革に積極的といわれる。薄氏は太子党のホープとして党の政治局常務委員入りが確実されていたが、胡錦濤グループによってこれを阻まれ失脚した。

 現在の国家主席である習近平氏は太子党に属しており、ナンバー2で首相の李克強氏は胡錦濤グループに属している。だが最近では、共産党内部の派閥争いよりも、共産党幹部全体に対する一般国民からの批判への対応が優先課題となっている。習政権としては、腐敗撲滅をアピールするという意味で、薄氏を有罪にして、早期の幕引きを図りたい考えだ。

 中国の法律では高額の収賄は死刑になる可能性がある。だが薄氏については長期の禁固刑となる可能性が高いといわれている。また仮に死刑となっても執行猶予が付き、終身刑に減刑され、最終的には刑期縮小となって刑務所を出られる可能性が高いという。
 また不正蓄財した財産は没収されることになるが、中国共産党の幹部は薄氏に限らず、海外への隠匿や一族や関係者を使った資産分散を行っている可能性が高く、5000億円のうち相当の部分が手元に残るともいわれている。やはり共産党幹部は突出した特権階級であることに変わりはない。

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