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欧州と米国で製造業の好調な指標が相次ぐ。世界経済が大きく変化する兆候か?

 

 欧州と米国の製造業に関する良好な指標が相次いでいる。調査会社マークイットが8月22日に発表した8月のユーロ圏PMI(購買担当者景気指数)は51.3となり前月を1ポイント上回った。ここ2年間ではもっとも高い数値となっている。米国も同様で、米供給管理協会(ISM)が発表した7月の製造業景況指数は前月から大幅に上昇し、約2年ぶりの高水準となった。

 米国は現在順調に景気回復が進んでいるが、唯一の足かせになっているのが製造業である。米国経済は堅調な個人消費が牽引しており、基本的に内需主導である。製造業はグローバルに展開する企業が多く、欧州経済の不振が足を引っ張り、好調な米国経済に比して伸び悩みが続いていた。
 だが欧州経済が底入れする見通しが出てきたことから、欧州向け輸出を楽観視する米国企業の経営者が増え、設備投資が増加し始めている。欧州の製造業でも増産が進んでいることを考えれば、相乗効果で両国の製造業の経営環境が大きく改善する可能性が出てきた。

 ユーロ圏における2013年4~6月期のGDP成長率は0.3%となり年率換算では1.1%の増加となった。プラス成長になるのは7四半期ぶりのことである。欧州債務危機問題は、根本的にはまったく解決していない。だが経済は生き物であり、マイナス成長がいつまでも続くわけではない。マクロ的な状況が改善されていなくても、循環的に景気が回復する局面は存在する。欧州はまさにそのタイミングといってよいだろう。

 もし欧州と米国の製造業が順調に回復すれば、現在進行中の、新興国から先進国へというマネーの流れがさらに加速することになるだろう。米国の景気回復とそれにともなうFRB(連邦準備制度理事会)による量的緩和縮小観測から、新興国からマネーが流出している。現在は新興国通貨から米ドルという流れだが、欧州の一時的な景気回復が鮮明になれば、欧州向けのマネーの流れがこれに加わることになる。もしそうなれば、新興国の為替や株価は長期的にも下落が継続することになる。

 現在、政界経済のアキレス腱となっている中国にとっては、米欧の製造業の好転はプラスとマイナスの両面がある。中国は米国メーカーや欧州メーカーの部品供給基地および製造拠点として機能しており、米欧の製造業が好転すれば、当然中国メーカーにも恩恵をもたらすことになる。
 だが米欧の景気回復は、新興国のひとつである中国からの資金流出を招くという別の側面もある。ただ中国は他のアジア諸国や中南米諸国と異なり、国際的な資金移動に厳しい制限を設けている。このところタイやインドの通貨や株価が暴落していることに比べれば、中国の株価や為替の動きはかなり平穏である。独裁的な統制経済が別な意味で効果を発揮しているようである。

 米欧の製造業が完全に回復していると判断するのはまだ早いが、世界経済のトレンドが大きく動き始めていることだけは間違いない。

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