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日本型経営は名実共に終了?パナソニックが、とうとう下請けへの支払い条件変更へ

 

 下請け企業との共存を掲げ、他社よりも有利な支払い条件を提示してきたことで知られるパナソニックが、とうとう下請け企業に対する支払い条件の変更に踏み切った。

 パナソニックはこれまで下請けの中小企業に対して月末締め、90日後支払いという条件で取引を行ってきた。だが今後は月末締め、120日後に変更することを下請け各社に通知したという。
 パナソニックは創業者である松下幸之助氏の強い意向で、月末締め15日後払いという、下請けにとって有利な支払い条件を維持してきた。だが2002年の経営悪化を受け、90日後まで支払いを延期、さらに今回120日まで延期することになった。
 理由は当然のことながらパナソニックの赤字決算。同社はここ2年の経営危機によって1兆5000億円以上もの累積赤字を抱える状態となった。2009年には1兆円以上あった現金が、現在では4700億円と3分の1の水準まで激減している。ここ数年、同社はCF(キャッシュフロー)経営実践プロジェクトと称して、資産売却などによって資金捻出を行ってきたが、それも限界に達し、とうとう下請けへの条件変更に乗り出したというわけである。

 電機業界では、以前から120日後支払いというのが標準となっており、今回の変更によってパナソニックは他社と横並びになっただけにすぎない。だが、下請けとの共存を掲げ、日本型経営の象徴であった同社が、下請けへのシワ寄せを始めた意味は大きいといえるだろう。

 日本の産業界は約束手形というかなり特殊な金融商品を用いて、下請けに対して過酷な支払い条件を強要するという商慣行を未だに残している。もし自由な商慣行が徹底されていれば手形による120日の支払い条件を受け入れる下請け企業はそれほど多くないと考えられる。このような商慣行が成立するのは、元請け下請けという、従属的な系列関係が維持されているからにほかならない。
 この元請け下請けという系列関係は日本の伝統だと思っている人が多いが、実はそうではない。これは太平洋戦争中、国家総動員体制の元、政府の統制経済によって強制的に作られたものである。終身雇用も同様で、以前の日本にはそのような慣行は存在していなかった。
 戦争前は、現在の米国や欧州と同じように、発注者と受注者の関係や企業と従業員の関係はもっとドライであった。戦後になってもこのような体制が維持されたのは、日本の大企業が護送船団方式で守られてきたからである。

 このようなウェットな家族主義的関係は、本来経営が苦しい時こそ、その本領が発揮されるべきである。だが日本の大手企業の多くは、いざ経営が苦しくなると、米国型弱肉強食社会も真っ青の下請けイジメを行っている。パナソニックは日本型経営の最後の砦だったかもしれないが、とうとう陥落してしまった。
 長期的な契約や雇用が保証されない中、従来のような家族主義的系列関係や雇用関係にどれほど合理的な意味があるのか、もう一度考え直してみる必要があるだろう。

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