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ASEAN国防相会議で中国との衝突回避策が合意。アジア地域の米中主導色強まる

 

 東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国と日米中の国防相が参加する、ASEAN拡大国防相会議が8月29日、ブルネイで開催された。ASEAN加盟国と中国との間で領有権争いが起きている南シナ海の安全保障問題、シリア情勢、北朝鮮問題などについて議論が行われた。

 会議にはASEAN各国の国防相に加えて、米国のヘーゲル国防長官、中国の常万全国防相、日本の小野寺防衛大臣らが出席、北朝鮮の非核化を促す共同宣言が採択された。

 だが議題の中で最も注目を集めたのは、やはり南シナ海問題である。会議では南シナ海の領有権をめぐる紛争が増加すると国家間の対立リスクが高まるとして、中国が南シナ海のほぼ全域で領有権を主張していることについてクギを指す発言が相次いだ。

 最終的には、各国との間で関係悪化につながらないための仕組み作りが必要という点で一致。具体的には、南シナ海問題において法的拘束力を持つ「南シナ海行動規範(COC)」の早期策定を目指す。COCとは、2002年にASEANと中国が合意した南シナ海行動宣言(DOC)を発展させたもので、これに法的拘束力を持たせたもの。領有権問題の平和的解決、事態を悪化させる行為の制限、協力事業の推進などが盛り込まれる予定。

 COCの策定については、これまでフィリピンとベトナムが強く主張してきたが、中国は性急な議論に反対する姿勢を示し、中国寄りのスタンスが強い、カンボジア、タイなども慎重な対応を求めていた。
 今回、米国のヘーゲル国防長官が出席する中で、具体的な衝突回避策の構築について合意が得られたことは、アジア太平洋地域の安全保障が米国と中国の交渉によって決定されることを印象付けた形となった。

 ASEANと中国は同じ日程で、北京において特別外相会議を開催し、COC策定について議論を行っている。また9月には「行動規範」策定に向けた公式協議を蘇州で開催する予定だ。秋以降、行動規範の具体策をめぐる議論が本格化することになる。

 日本としては、とりあえず衝突回避策の策定で合意が得られたことは一歩前進ということになる。ただ尖閣諸島問題を抱える東シナ海について、具体的にどのような回避策を講じるのかは不透明なままだ。
 今回の会議では、小野寺防衛相と中国の常万全国防相は、会場で短い会話を交わしたものの、個別会談は実施されなかった。衝突回避策を具現化するには、日中首脳会談や防衛相会談などを開催する必要があるが、その見込みは立っていない。領有権に関する諸問題については、南シナ海が先行して、解決に向けた動きを始めることになる。

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