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待遇がよい正社員ほど不満タラタラ。人材会社のアンケート結果が示す意外?な結果

 

 大手人材サービス会社のエンジャパンが自社サイトの利用者に対して行った、月収とそれに対する満足度に関するアンケート結果がちょっとした話題となっている。

 同社は、2013年6月から7月にかけて同社の求人サイト利用者2000名に対して、月収やそれに対する満足度についてアンケート調査を行った。
 それによると、アルバイト・パート、派遣社員、契約社員、正社員という4つのグループの中で、平均月収がもっとも高かったのは正社員であった。一方、自身の月給に対してもっとも満足度が低かったのも、正社員という結果になった。もっとも待遇がよい正社員が、自身の待遇にもっとも不満を感じているという皮肉な結果となった。

 正社員とそれ以外の社員の待遇の差は歴然としたものであった。正社員では自身の月給について20万~25万円であると回答した人の割合がもっとも高かったが、これが派遣社員や契約社員になると15万~20万円に下がった。さらに、アルバイト・パートになると、5万円から10万円という人が最も多くなり4割に達する。アンケートは、勤務時間や日数を考慮しない絶対値だが、他の雇用形態に対する正社員の待遇のよさは際立っている。

 一方、月収に対して満足していると回答した人の割合は、派遣社員が42%、契約社員が36%、アルバイト・パートが34%、最も少ないのは正社員で31%となった。待遇がもっともよい正社員が、月収に対して高い不満を持っているという構図だが、その理由もなかなか興味深い。
 アルバイト・パートや派遣社員では「手当がない」「賞与がない」という項目がトップになっており、雇用形態をそのまま反映した不満を持つ人が多い。一方で正社員の給与に対する不満のトップは「生活が苦しいから」というものであった。つまり、会社の待遇というよりも、自身の消費に対して会社の給料が追いついていないことを不満に感じているのだ。
 これとは逆に、月収に対して満足しているという人の理由は、契約社員、派遣社員、アルバイト・パートでは「仕事内容と給料が合っているから」という項目がトップであり、仕事と報酬に対する関心が高いことが分かる。一方正社員のトップは「生活に困らないから」という項目であった。

 総合すると、正社員は他の雇用形態よりも待遇がよいものの、自身の月収に対しては不満を持ちやすいということが分かる。また、正社員以外は、月収に対する評価が仕事内容との関係性に集中しているの対して、正社員は自身の消費水準を給料が上回っているのかどうかに高い関心が寄せられている。正社員は、自身の給料に合わせて生活をするという感覚が、他の雇用形態の人に比べて薄いことを伺わせる。

 これらの結果は、どのような雇用形態が労働者の満足度を高めるのかという点で様々な示唆を与えてくれる。一概にどの形態がよいと断言はできないが、少なくとも、いつ仕事がなくなるか分からないという緊張感は、仕事の内容と報酬に対して関心を高める作用があり、総じて満足度も高くなるようである。ひょっとすると、労働者全員を期間の定めのない雇用契約に転換した方が、意欲や満足度が高くなるという、逆説的な可能性すら垣間見えてくる。

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