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オリンピック東京招致と福島原発汚染水問題は水面下でつながっている?

 

 2020年夏季オリンピックの東京招致が成功したが、その背景には、安定した財政基盤、豊富なインフラ、的確なプレゼンテーションなどがあったといわれている。だが国際オリンピック委員会(IOC)による候補地決定の舞台裏では、各国が様々な駆け引きを行っており、集票をめぐっては多くの「密約」が交わされた可能性がある。これらは正式な外交記録として残るものではないため、表に出てくることはないが、今後の外交を縛る制約条件にもなり得る。

 日本の場合、福島原発の汚染水問題が最後まで招致のネックになっていた。招致合戦終盤では、各国のマスコミを使ったネガティブキャンペーンも行われていたと考えられる。
 汚染水問題がウラの交渉材料になった可能性は高く、今後もこの問題が、日本外交に大きな影響を与えることになるかもしれない。

 オリンピック招致において、各国がどのような話を持ちかけ、どの国がどう応じたのかについて全貌を知ることは不可能である。だがある程度の推測は可能だ。
 例えば、今回の開催地決定ではフランスと日本に密約があったという説が取り沙汰されている。フランスは2024年のオリンピック招致を目指しており、今回の開催地がスペインになってしまうと2回連続の欧州開催となってしまう。フランスは日本に投票するメリットがあるというワケだ。
 フランスはアフリカに多くの旧植民地を抱えており、フランスの投票行動はこれらアフリカ諸国にも大きな影響を及ぼす。今回の東京招致にフランス関連票が貢献した可能性は否定できない。

 一方、フランスは原子力大国としても有名である。福島原発の事故の際には、フランスの国営原子力企業アレバの技術を事故処理に採用するよう、強烈な外交活動があったことで知られている。フランスが日本に票を回した場合、福島原発の汚染水問題にフランス企業が関われるよう暗に要請があったとしても何ら不思議はない。

 安倍首相はIOCのプレゼンテーションで「福島原発の汚染水は完全にコントロールされている」と大見得を切ってしまっている。こうなってしまうと汚染水問題は、外交上の最大の人質になってしまう可能性がある。汚染水問題への外国企業の参入要請があった場合、「選手が不安がっている」として、選手団の引き上げをチラつかせるという最終手段が相手には存在するからである。

 汚染水問題が今後、どのような外交上の影響をもたらすかは未知数である。だが汚く冷酷な国際社会の交渉においては、なるだけ弱みを握られないようにするのが鉄則である。福島原発の事故処理は、本来であればもっとレベルの高い対応が出来ていたはずである。これまで無責任に放置されていたことは、外交交渉においても大きな損失だったといえるだろう。

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