ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

7月の機械受注は横ばい。設備投資が本当に回復しているのかはまだ確認できない状況

 

 内閣府は9月12日、7月の機械受注統計を発表した。機械受注統計は、民間設備投資の先行指標といわれており、市場での注目度が高い。主要指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比でほぼ横ばいの7772億円であった。設備投資が上昇トレンドに入ったのかを確認することはまだ難しい状況だ。

  企業の設備投資は低迷が続いており、2013年の初頭には6000億円台の水準まで落ち込んでいた。だが3月頃から非製造業を中心に金額の増加が目立つようになり、5月には8000億円近くまで復活した。6月、7月は若干減少してして7700億円近辺で推移している。
 機械受注の統計は、以前は製造業の影響が大きかったが、最近では非製造業の影響を大きく受けるようになってきている。ここ数ヶ月の伸びは基本的に非製造業がリードしたものだ。
 非製造業の設備投資が回復しているのは、景気循環的な要因も大きいが、アベノミクスによる株高、補正予算を使った大型公共事業、消費税増税前の住宅駆け込み需要などが複合的に作用したものと考えられる。

 消費税増税の重要な判断基準となる、4~6月期GDP(改定値)は年率換算で3.8%増と良好な数字であった。要因は旺盛な企業の設備投資ということなのだが、中身はというと、公共事業と駆け込み需要の影響が大きかったことが明らかになっている。今回の機械受注の結果は、4~6月期と同じような状況が継続していることを示唆している。

 一方、製造業は、輸出の不振から苦戦が続いている。ただ製造業もゆっくりではあるが設備投資が増加トレンドに転じていると解釈することも可能である。対前年比ではずっとマイナスが続いているものの、前月比では5月が3.8%増、6月が2.4%増、7月が4.8%増と着実に増えてきているというのがその理由である。輸出不振がすぐに解消する可能性は少ないことから、今後は好調な非製造業が製造業の設備投資をどれだけ活性化させられるのかに注目が集まってくるだろう。

  製造業の分野別では、これまで唯一の成長分野であった自動車に伸びの一服感が出ている。一方大幅が下落が続いていた電機の分野は底入れの可能性が見えてきている。ただ電機の設備投資はブレが大きく、本当に設備投資が底を打ったのかを確認するのはまだ時期尚早といえる。内需の影響が大きいITについては1年以上横ばいが続いている。

 - 経済 , , ,

  関連記事

amazonwordrobe
洋服の買い方が一変?アマゾンの新サービスにアパレル業界に激震

 先日、高級スーパーを買収し世間を驚かせた米アマゾンが、今度はアパレルの分野で革 …

bitcoin
国家への挑戦か単なる金儲けか?ネット通貨ビットコインの本質は金本位制

 インターネット上で流通する通貨「ビットコイン」が話題となっている。単一の発行元 …

no image
維新の会の経済政策が徐々に明らかに。大阪はこうなる!

 次期衆院選の準備を進める大阪維新の会の経済政策がその姿を見せつつある。  Ne …

ichiganrefu
日本企業の世界シェア調査。トップ品目も多いが、縮小市場・低付加価値が目立つ

 日本経済新聞社は2015年7月5日、2014年における主要商品・サービスシェア …

kiuchi
黒田新体制で役回りが激変した日銀の木内審議委員。孤高の慎重論を貫けるか?

 日銀による異次元の量的緩和策を決めた4月4日の政策決定会合では、黒田総裁の提唱 …

mof
10年後には国債1000兆円との財務省試算。だが前提条件が甘く、現実はもっと厳しい

 財務省は3月6日、国債の残高が10年後の2022年度末に1000兆円を超えると …

yahoo
ヤフーがメール「覗き見」広告をスタート。インテリジェンス関係者の間で密かな話題に!

 ヤフージャパンがいよいよ電子メールの内容解析を使った広告戦略を本格展開する。こ …

kikaiinsatu
設備投資の先行指標である機械受注が大幅減。7~9月期のGDPは大丈夫か?

 内閣府は2015年9月10日、7月の機械受注統計を発表した。主要指標である 「 …

no image
メガバンクとゆうちょ銀行で不正画面誘導が多発。だが本当に危惧されることとは?

 ネット銀行のホームページに不正が画面が表示され、パスワードなどが盗まれて不正送 …

economistataranai
10~12月期GDP速報値。プラス2.2%と事前予想を下回るが、市場は織り込み済み

 内閣府は2015年2月16日、10~12月期のGDP(国内総生産)速報値を発表 …