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次期FRB議長最有力候補サマーズ氏が無念の辞退。理由はズバリ、傲慢不遜な性格

 

 米FRB(連邦準備制度理事会)次期議長の最有力候補であったサマーズ元財務長官が、候補者からの辞退を表明した。サマーズ氏には民主党内部から根強い反対論があり、仮に指名されても上院の承認手続きが難航することを危惧したと考えられる。オバマ政権はもう一人の有力候補であるイエレンFRB副議長を中心に調整を進める。

 オバマ米大統領は9月15日声明を出し、サマーズ元財務長官からFRB次期議長を辞退したいとの申し出があったと明らかにした。サマーズ氏は、オバマ大統領に書簡を送り、自身が指名された場合、承認過程で厳しい批判を招き、FRBや政権にとってマイナスになるとして、候補者から辞退すると伝えたという。
 サマーズ氏は、クリントン政権時代に財務長官を、オバマ政権1期目に国家経済会議(NEC)委員長を務めた実績がある。オバマ政権では金融危機の対応に尽力し、大統領のから信頼は厚いといわれている。だが、クリントン政権時代には金融規制緩和を強力に推進しており、今回の危機の原因を作った張本人であると批判されていた。

 だがサマーズ氏に対して民主党内部から批判が多い本当の理由は別にある。それはズバリ、サマーズ氏の傲慢不遜な性格である。
 サマーズ氏は、サミュエルソンなど高名な経済学者を親戚に持つ超サラブレットで、天才的な頭脳を持つといわれる。28歳の若さでハーバード大学教授に就任し、財務長官退任後はハーバード大学の学長になった。
  ただサマーズ氏は天才ゆえなのか、問題発言が多いことで知られている。特に女性は根本的に知的能力が低いとした発言は各方面から批判され、とうとうハーバード大学の学長を解任されてしまった。伝統あるハーバード大学で学長が差別発言で解任されたのは、後にも先にもサマーズ氏だけである。また財務長官時代には尊大な態度で議員を見下すような発言を繰り返し、数多くの議員の反発を買っている。もし指名の公聴会が開かれれば、人格的な部分を含めた激しい攻撃が浴びせられることは確実であり、プライドの高いサマーズは耐えられないと判断した可能性が高い。

 金融政策的には、サマーズ氏が議長に就任するのと、イエレン氏が就任するのとでは大きく状況が変わってくる。サマーズ氏はかなりのタカ派であり、米国経済は回復基調にあるので、迷わず利上げすべきという立場である。
 現在米国は量的緩和の縮小と利上げ、ドル高政策を進める局面にある。だが従来の政策からの大きな転換には慎重な意見もあり、調整に時間がかかっている。オバマ政権がサマーズ氏に白羽の矢を立てたのは、一度言い出したら人の意見を聞かないサマーズ氏の方が、強引に緩和縮小と利上げを断行するとの読みがあったからだ。
 一方、イエレン氏はいわゆるハト派で、量的緩和の縮小や利上げには慎重なスタンスである。また各方面の意見をよく聞き、コンセンサスの醸成に時間をかけるタイプである。

 イエレン氏が議長に就任すれば、政策はより現実的、段階的となり、市場に対するインパクトは軽減される可能性が高い。だが一方で、イエレン氏がこれまでのスタンスを変えない場合、いつになったら米国の方向性ははっきりするのか?というモヤモヤ感はなかなか払拭されないだろう。イエレン氏がややタカ派よりになってFRB議長に就任するというのが、市場にとってはもっともよいパターンなのかもしれない。

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