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ドイツ総選挙でメルケル首相の続投が決定。社民との連立になってもEU政策に変化なし

 

 ドイツ連邦議会選挙は9月22日に投開票が行われ、メルケル首相率いる与党キリスト教民主・社会同盟が議席のほぼ半数を獲得し、メルケル首相の続投が確実となった。これまで連立を組んでいた自由民主党は議席を確保することができず、連立の座から降りることになった。メルケル首相は、野党第一党である社会民主党との大連立を模索する可能性が高い。

 これまでドイツは、キリスト教民主・社会同盟と自民党の連立与党が政権を担ってきた。2009年の総選挙で2期目の首相に就任したメルケル首相は、財政危機に陥った国々への支援をリードする一方、ドイツだけが負担を強いられているという国内の不満にも配慮するというバランスの取れた政権運営を行い、高い支持率を維持してきた。

 今回の総選挙の結果は、事前の予想通り、メルケル首相への高い支持率を反映したものとなっている。一方ドイツは、欧州ではめずらしく多くの職種で最低賃金が保障されておらず、企業の倒産も情け容赦なく行われるなど、自由競争主義的な側面が強い。これまでは好調な経済を背景に驚異的な低失業率が続いており、こうした面はあまり意識されていなかった。だが、主に企業家や資本家層を支持母体とする自民党が議席を失ったことは、こうした競争主義的側面に対する国民の意識に変化が生じていることを示しているのかもしれない。

 メルケル首相の続投が決まったことで、EUに対するドイツの姿勢に変化はないだろう。社会民主党は、スペインやギリシャなど債務国に対してもう少し寛大な処置を取るよう求めていたが、これは野党としてのポーズであった可能性が高い。ドイツ国内には、債務国に対する支援についてドイツばかりが負担を強いられているという不満が根強く存在している。実際に連立政権となれば、社会民主党は、債務国に対して厳しい財政再建を要求するメルケル路線を追認すると考えられる。

 欧州は本格的な景気回復にはほど遠いが、好調な米国経済を追い風に、現在は小康状態となっている。欧州の景気動向はすべてドイツの姿勢にかかっており、その意味で、今回の総選挙は市場にとって安心材料といえるだろう。

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