ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

米欧中で製造業の景況感改善がより鮮明に。米国依存の日本にとっては朗報

 

 米国政府の一時閉鎖問題によって世界経済が揺れているが、足元の景況感を示す指標は良好な数値が相次いでいる。米供給管理協会(ISM)が発表した9月の製造業景気指数は前月から0.5ポイント上昇し56.2となった。欧州や中国でも景況感が改善しており、世界的に景気が上向きつつある。

 米国は旺盛な個人消費に支えられ、リーマンショック以降、サービス業は順調な回復ぶりを示してきた。
 だが欧州の景気低迷が長引いていることや、中国経済の失速懸念が急速に高まったことで、製造業の景況感は低迷が続いてきた。2012年以降、製造業の指数は景気判断の境目となる50前後を行き来することが多くなっていた。

 だが2013年の6月あたりからこの状況が大きく変わり始めた。製造業の指数が上昇に転じてきたのである。その主な要因は欧州景気に底入れの兆しが見えてきたことや、中国経済がハードランディングする可能性が下がってきたことである。

 かつては、資源国が生産した原材料を日本が輸入し、組み立てられた製品を欧州と米国が輸入するという構図であった。だが最近では、資源国の輸出はアジアに向かい、最終的に中国で組み立てられ、欧州と米国に輸出されるという形に変化してきている。米国で完成した商品は米国内で消費されるとともに、一部は欧州や中国に再輸出される。欧州と中国に対する不安材料が減少したことから、米国のメーカーの中には思い切った設備投資に踏み切るところも増えてきている。この効果が、欧州と中国の景況感の改善につながってきているのだ。

 中国国家統計局が発表した9月の製造業購買担当者指数(PMI)は51.1となり、8月の51.0から上昇した。またユーロ圏における9月の製造業PMIは前月を0.3ポイント下回ったものの、サービス業も含めた総合指数は0.6ポイントの大幅上昇となっている。

 この状況は日本にとっては非常に好都合である。日本は今まで、国内で製造した部品を中国に輸出し、最終的に米国に輸出していた。このため見かけ上は中国向けの輸出が米国向けを上回っていた。だが最近では低付加価値製品の製造拠点がアジアに移転したことから、輸出における米国依存度が再び上昇している。日本の輸出が増えるかどうかは、すべて米国にかかっているといってよい。米国における景況感の改善は、日本の輸出産業にとって朗報といえるだろう。

 - 経済 , , , ,

  関連記事

abetokku
日本の成長戦略はどう進めるべきなのか?フランスの失敗から学ぶことは多い

 経済活動に対して政府が強く関与するなど日本との共通点が多いフランスの経済政策が …

kabuka
金融庁の強い意向で毎月分配型投信の販売が減少。それでも顧客は毎月分配型を望む?

 投資信託の販売が急速に落ち込んでいる。アベノミクスによる株価上昇が一段落したこ …

kuroda
日銀黒田総裁が消費税増税を肯定しなければならない理由

 日銀の黒田総裁は8月8日、金融政策決定会合後の記者会見において「脱デフレと消費 …

bananki
バーナンキ議長がとうとう量的緩和策終了に言及。いよいよ本格的なドル高が始まる?

 米FRB(連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長は6月19日、連邦公開市場委員会 …

kaisha
親の世代と若い世代の企業人気ランキングに異変。日本の大企業はとうとうオワコンか?

 保守的傾向が強く世代間であまり変化のなかった日本人の企業人気ランキングに異変が …

ginkou
日本ではなぜ借金の個人保証がなくならないのか?

 民法の抜本改正を検討している法制審議会(法務大臣の諮問機関)が、中小企業融資に …

ibmrometti
苦戦続くIBM。人工知能に市場は反応せず、ドル高がダメ押し

 米IBMは2015年4月20日、2015年1~3月期の決算を発表した。売上高は …

brics
BRICSが世界銀行やIMFに対抗してBRICS銀行を創設。だがタイミングが今一つ・・・・

  BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)は3月26日、南アフ …

home02
米国ではなぜ自宅の不動産が超優良な資産になるのか?

 米政府の管理下で経営再建中だった米国の住宅公社2社(ファニーメイとフレディマッ …

imf Deputy Director japan
IMFが日本との協議を終了。アベノミクスを評価するも、構造改革とセットにすべきと指摘

 IMF(国際通貨基金)は5月31日、経済動向と政策課題に関する日本政府との10 …