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習近平国家主席がインドネシア国会で外国要人として初の演説。両国関係は劇的に変化

 

 中国の習近平国家主席は10月3日、インドネシアを訪問し、国会で演説を行った。インドネシアの国会で外国の要人が演説するのは初めてのことだが、その最初の国が、インドネシアと長く断絶関係にあった中国であったことに、各国は驚いている。東南アジア諸国と中国との関係が大きく変わったことを印象付ける訪問となった。

 インドネシアは戦後、長く独裁体制が続いていたが、石油資源が豊富であることや、のちに反共姿勢を鮮明にしたことなどから、米国や日本は一種の特別待遇で友好関係を結んできた。日本にとってインドネシアは、中東以外で唯一、安定的に石油を輸入できる数少ない国のひとつといってよい。

 今ではバラエティ番組で毒舌を吐くイメージしかないが、デヴィ夫人(旧日本名:根元七保子さん)は、友好関係の証として当時のスカルノ大統領の第3婦人として輿入れした人物である。
 一方、中国との関係はスハルト政権以降、最悪の状態が続いていた。1960年代に発生したインドネシア共産党によるクーデター未遂事件は中国共産党の支援によるものだとして中国との外交関係を断絶している。通常の外交関係に戻ったのは1990年代に入ってからである。

 だが最近はASEANの経済発展と中国の台頭で状況が大きく変わってきている。インドネシアと中国の貿易は急拡大しており、双方にとってなくてはならない存在になっている。インドネシアは2万近くの島を抱える海洋国家だが、中国との領有権問題が存在していないことも大きい。
 演説した習氏は、かつて明の永楽帝の命を受けて東南アジアへの大航海を行った宦官の鄭和を引き合いに出し、両国は歴史的に友好関係にあると強調した。ただ、フィリピンやベトナムとの領有権問題については、平和的解決を望んでいるという表現にとどめ、中国が多国間協議に応じていないことについては触れなかった。
 こうした中国の姿勢にインドネシア国内の一部からは反発の声も上がっているが、総じて中国との接近を歓迎するムードとなっている。

 中国によるインドネシアとの友好関係の演出は、当然、日本とインドネシアの関係にくさびをいれることを目的の一つとしている。今回の訪問で何か大きな変化があるわけではないが、東南アジアの地政学的な関係は、確実に変わりつつあることを今回の訪問は示しているといえるだろう。

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