ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

摩天楼の象徴エンパイアステートビルが上場。米国の不動産市場は絶好調

 

 ニューヨークの摩天楼を象徴といわれる超高層ビル「エンパイアステートビル」が10月2日、ニューヨーク証券取引所に上場した。同ビルを中心にマンハッタンのオフィスビルを保有する管理会社が、不動産投資信託(REIT)として上場させた。活況を呈する米国の不動産市況を背景に投資家がより高いリターンを求めている状況がより鮮明になってきた。

 上場したのは「エンパイアステート・リアルティ・トラスト」。上場初日の取引は公開価格を小幅に上回る13.10ドルで終了し、2日目もさらに上昇した。調達した資金は約9億3000万ドル(約900億円)でほとんどを投資家に対する還元に回す予定だという。

 商業ビルのオーナーには、自身で不動産を所有して賃料を得るやり方と、REITという形で資産を市場で売却し、間接的に物件を管理するやり方の2種類がある。REITとして上場させてしまうと、物件は不特定多数のものとなるため、完全にコントロールすることはできなくなるが、市場からは大量の資金を調達することができる。不動産市況が活発になってきた場合には、高値で市場に出すことができるので、REIT化を選択するオーナーも増えてくる。

 エンパイアステートビルは、まさにマンハッタンを象徴するビルであり、本来であれば無理に上場させる必要性はない物件といえる。だが米国の景気回復を受け、ニューヨークの不動産価格は高騰している。総合的に見て市場に出した方が得策と判断した可能性が高い。

 エンパイアステートビルが竣工したのは何と82年も前の1931年。アールデコ・スタイルを取り入れた当時としては斬新なデザインとその高さが話題となり、オープンの式典にはフーバー大統領やジミー・ウォーカー・ニューヨーク市長など著名人が多数出席した。
 折しも世界恐慌の直後であり、竣工直後はテナントの3割が空き室のままという状況だったが、米国の景気回復とともに、米国を代表するビルとして世界にその名前を轟かせてきた。9.11テロで崩壊したワールドトレードセンタービルができるまでは、米国でもっとも高いビルであった。

 工事開始から完成までの期間はわずか2年と、現代の超高層ビルとあまり大差はない。当時の米国の驚異的な技術水準と経済力を伺い知ることができる。ちなみにワールドトレードセンターの崩壊でエンパイアステートビルはニューヨークでもっとも高いビルになったが、ワールドトレードセンターの跡地に現在建設が進められているワンワールド・トレードセンターが完成する2014年には、再び第一の座を明け渡すことになる。

 - 経済 , , ,

  関連記事

sebunsuzu
セブン鈴木氏の退任によって、同社は批判できないというタブーがなくなった?

 セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長兼最高経営責任者が退任の意向を明ら …

benesse
ベネッセ新社長がわずか3カ月で辞任。同社経営をめぐって創業家が混乱?

 教育大手ベネッセホールディングスが迷走している。プロ経営者であった原田泳幸氏の …

kanntei
政府、財界、労組による賃上げ協定構想が浮上。だが内容は賃下げを狙ったものだ

 労働者の賃上げが実現できるように、政府、経済界、労働組合の3者で協定を結ぶ構想 …

no image
ユーロ・ベガス計画がマドリードに決定。スペインの街にイタリア都市が出現?

 ユーロ・ベガスと呼ばれるスペインの超大型カジノ計画をめぐって、激しい誘致合戦を …

matsuishouken
松井証券がとうとう金利も手数料もゼロ円という自爆価格を設定。どうやって儲けるの?

 信用取引に関する来年1月の規制緩和をうけて、ネット証券業界では自爆テロともいえ …

kuroda02
日銀が物価目標の達成時期を先送り。2年で2%は実質的に撤廃

 日銀は2015年4月30日、「15年度を中心とする期間」としてきた物価目標達成 …

sharp
シャープの増資は政府による資産買い取りとセット?史上最大のモラルハザードの可能性

 シャープが検討している公募増資は、政府による資産買い取りとセットである可能性が …

rikokyoupolson
李克強氏の経済改革プランが始動?保守派である習近平氏との違いが早くも表面化

 国務院総理(首相)に内定している李克強副首相が、就任後の経済改革に向けてはやく …

contena
経常収支が2ヶ月連続の赤字。とうとう日本が経常赤字国へ転落するサインか?

 財務省は2月8日、2012年の国際収支を発表した。それによると、経常収支は4兆 …

abe20141021b
消費低迷で高まる増税先送り論。だが現実には決断は困難?

 消費の低迷が顕著になってきたことから、消費税の10%増税に反対する声が高まって …