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IMFが最新の世界経済見通しを発表。世界経済の牽引役は新興国から米国へ

 

 IMF(国際通貨基金)は10月8日、最新の世界経済見通しを発表した。2013年と2014年の世界経済成長予想を前回の予想から0.2ポイント下方修正した。資本流出で新興国の経済が減速し、世界経済の牽引役が先進国にシフトしていることがその主な原因。

 2013年における世界経済の成長率見通しはプラス2.9%となり、前回予想(7月)の3.1%から0.2ポイント下方修正された。先進国の成長率は横ばいでプラス1.2%だが、新興国の成長率は0.5ポイント引き下げられプラス5.0%となった。新興国の成長が鈍化したことで、全体の成長率見通しが引き下げられた。

 新興国の成長鈍化の背景にあるのは、米国の景気回復とそれにともなう資金の新興国からの流出である。FRB(連邦準備制度理事会)が量的緩和縮小の準備に入っていることも、資金流出に拍車をかけている。
 IMFでは新興国の経済は「景気循環的、構造的理由を背景にここ数年の高い水準に達することはない」と見ており、世界経済の牽引役は米国に移っていると指摘した。
 ただ今回の予想は米国の債務上限引き上げ問題が17日までに処理されることを前提としている。米国が一時的であっても債務不履行に陥る事態になれば、さらに下方修正となる可能性が残っている。

 日本については、経済が力強く回復しているが、財政引き締めから2014年には景気が失速するとしている。IMFの予測には、現在、議論が進んでいる消費税に対応した経済政策の数字は当然盛り込まれていない。5兆円の経済対策がまとまり、来年度予算も大型のものになれば、数値は上方修正される可能性がある。
 ただIMFでは、日本の景気は財政支出に依存しており、潜在的な成長率は低い状態にあると見ている。長期的な成長を実現するには構造改革が必要と指摘している。

 国別の2013年成長率見通しは、米国がプラス1.6%(0.1ポイント引き下げ)、日本がプラス2.0%(0.1ポイント引き下げ)、ユーロ圏はマイナス0.4%(0.1ポイント引き上げ)となった。ユーロ圏は全体ではマイナスだが、ドイツとフランスは上方修正され、それぞれプラス0.5%とプラス0.2%になっている。英国も0.5ポイントの上方修正となり1.4%成長が見込まれている。スペインなど債務国のマイナス幅も縮小傾向となっている。
 一方、新興国の状況は冴えない。中国は0.2ポイント引き下げでプラス7.6%となり、政府目標をギリギリで上回っている状態となった。ロシアはプラス1.5%と前回から1.0ポイントの大幅な下方修正となった。インドも同様に大幅な下方修正となっている。新興国は数字の絶対値は先進国よりも良好だが、相対的な勢いは完全に失われている。しばらくは苦しい状況が続くことになるだろう。

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