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設備投資はようやく上昇トレンド入り。ただし公共事業依存体質からはまだ脱却できず

 

 内閣府は10月10日、8月の機械受注統計を発表した。機械受注統計は、民間設備投資の先行指標といわれており、多くの関係者が注目している。
 主要指標である 「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比5.4%増の8193億円となった。先月の数値は前月比で横ばいとなっており、上昇トレンド入りが確定できない状況にあった。だが今月は市場予想以上の伸びとなり、上昇トレンド入りの可能性がより高まってきた。

  以前は設備投資の主役といえば製造業であったが、最近は非製造業の設備投資が全体をリードしている。機械受注の約3分の2は非製造業からの受注で占められている。
 日本はすでに製造業による貿易黒字ではなく、投資収益によって経常黒字を維持する成熟国型の経済に移行している。
 その意味で、非製造業の設備投資が増加することは、内需拡大に寄与することであり、基本的に歓迎すべきことといってよい。

 ただ、今のところは非製造業の設備投資も完全なものとはいえない。非製造業のうちここ1年で金額が大きく伸びた業種は、建設業、不動産業、農林水産業の4つで、これらは皆、公共事業や住宅の駆け込み需要に大きく影響する分野である。
 政府は今年2月、大型の公共事業を柱とする総事業費20兆円の緊急経済対策を打ち出した。消費増税の判断基準となった2013年4~6月期のGDPが好調だったのも、この公共工事の影響である。また消費増税を前に住宅の駆け込み需要が発生し、マンション建設などが相次いだ。非製造業の設備投資が増加といっても、その多くは公共事業頼みなのである。
 また今月数字が大幅に伸びた要因は金額が大きい金融業からの受注が増加したことである。だが金融業は設備投資のブレが大きく、この伸びが今後も持続するかは不透明だ。

 一方、製造業は低迷が続いている。相対的には北米向け輸出が好調な自動車は堅調だが、今月は精密機械が大幅が減少となった。おそらく、製造業の設備投資は当分復活しないだろう。

 そうなってくると、今後、日本経済をうまく回復軌道に乗せるためには、公共事業に依存しない非製造業の設備投資を増やしていく方策が必要となる。だがアベノミクスの成長戦略で打ち出されているものは、多くが製造業の支援策か公共事業である。もちろん公共事業主導で、これらの業種を潤わせることも可能だが、公共事業依存の景気対策は政府債務を増やすだけで終わることを過去の経緯は証明している。従来の視点とは異なった、新しい成長戦略が求められている。

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