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経済援助型から企業M&Aへと変貌する中国の直接投資。日本はどう付き合う?

 

 これまで香港経由や途上国に偏重していた中国の直接投資が大きく変わろうとしている。欧州や北米など成熟国への直接投資が増加し、途上国向けが減少している。経済援助中心の政治的投資から純粋なビジネス投資へと積極的に舵を切り始めている様子がうかがえる。

  中国は現在、約3兆5000億ドル(345兆円)もの外貨準備を保有している。これは日本の3倍の規模でありダントツの世界トップである。

 従来の中国の外貨運用は、6割が香港向けであり、その多くが香港の中国系企業を対象としたものになっていた。外国に直接投資するケースでは、アジア各国やアフリカ諸国など、経済外交の一部としての投資が目立っており、これが従来の中国における対外直接投資を特徴付けていた。

 だが最近は様子がだいぶ変わってきている。中国の2012年の対外直接投資額は前年比17.6%増の878億(約8兆6000億円)に達した。これは米国(約40兆円)と日本(約10兆円)に次いで、世界で3番目の規模である。特に米国向けと欧州向けが伸びており、米国向けは前年比で124%の大幅な伸びとなった。中国の外貨運用が、経済外交用の援助型投資から、純粋なM&Aにシフトしていることをうかがわせる。

 投資を受け入れる先でも中国の存在感は高まっている。北米市場では、中国最大手の豚肉生産会社双匯国際が、米豚肉加工大手スミスフィールド ・フーズを約47億2000万ドル(約4650億円)で買収した。欧州では現在、フランスの大手自動車メーカー・プジョーシトロエンの増資についてフランス政府と共に中国の東風汽車が引き受ける方向で調整が進められている。
 一方で、米議会が中国のIT企業である華為技術の米国進出について、安全保障上の懸念があるとして入札からの締め出しを求めるなど、中国に対する警戒感も依然として根強い。ただ全体的に見れば欧米各国は、中国からの投資を歓迎する方向性だ。

 日中関係の冷え込みが影響してか、ここ半年は日本向けの投資額は減少している。だが中国が今後も先進国中心の直接投資を拡大させることになれば、当然、日本企業も投資対象となってくる。実際に成果が上がるのかは別として、安倍政権は外国からの直接投資の増加を国策として掲げている。法人税減税といった投資促進策を導入すれば、当然中国からの投資も増えてくることになる。物理的距離が近く、人的交流も多い中国からの資本流入はむしろ一気に加速する可能性すらある。
 中国からの資本流入に対して日本はどのように付き合うべきなのか、そろそろスタンスを決めておく必要があるだろう。

 - 政治, 経済 , ,

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