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売上減に歯止めがかかった米インテル。次はいよいよスマホ市場を攻略?

 

 半導体世界最大手の米インテルは10月15日、7~9月期の決算を発表した。売上高がほぼ1年ぶりに前年比横ばいとなり、減収傾向に歯止めがかかった。パソコンからスマホへのシフトには対応できていないものの、パソコン不振への対応はある程度の道筋が見えてきた。

 同社の7~9月期の売上高は前年比ほぼ横ばいの134億8300万ドル(約1兆3280億円)、純利益が0.8%減の29億5000万ドルだった。同社の主力であるパソコン向け製品は3.5%の売上減となったが、サーバー向けは好調で12%の増収だった。
 パソコン向け製品の落ち込みをデータセンター(クラウド)向けでカバーする構図は変わらないが、全体の減収には歯止めがかかった格好だ。売上原価は前年同期費の水準に戻っており、利益率の低下もストップした。完全ではないが、脱パソコンに向けた道筋が見えてきたといえる。
 ただ同社には、スマホ市場でのシェアを拡大するという次の課題が待ち受けている。その点については、現時点では明確な方向性は見えていない。

  同社はかつてパソコン向け半導体で市場をほぼ独占することに成功し、粗利益率60%という驚異的な収益力を誇っていた。だが最近はパソコンからスマホやタブレットへの移行が進み、パソコン市場が低迷したことから、価格の維持が困難となり、利益率が低下していた(それでも高収益企業であることに変わりはないが)。
 同社がパソコン市場をほぼ独占することが可能だったのは、同社が半導体という部品提供だけにとどまらず、パソコン製品のコンセプト立案や基本設計など仕様に関する部分までを無料で手がけ、パソコン・メーカーの負担を軽くしたことが最大の要因であった。また独占禁止法に抵触しているという批判を受けながらも、同社の方向性に賛同しないパソコン・メーカーには徹底的に不利な条件を提示するという、やや強引な営業手法も功を奏した。

 だがスマホやタブレットの場合には、同社と取引のあるパソコン・メーカー以外のメーカーが製造に参入しており、同社の影響力をうまく行使することができない。このため同じような半導体製品であっても、同社はまったくゼロからの状態でスマホ市場に参入する以外に方法はなかった。
 同社がスマホ向けの半導体を本格的に出荷したのは2012年になってからであり、今後、同社がスマホ市場で高いシェアを握れるのかはまだ不透明な状況である。ただ同社は多数の生産ラインを抱えており、ファブレス企業も多いスマホ向け半導体の分野では圧倒的な企業体力を持っている。戦略によっては、一気にシェアを拡大することも可能であり、もしそれが実現すれば同社の収益は飛躍的に向上するだろう。

 ただスマホ向け半導体の効果が決算の数字に表れてくるのは、少なくとも次の四半期以降になる可能性が高い。現時点では、まだ可能性の段階に過ぎない。市場ではこうした長期の不透明性や、純利益の額が予想よりも小さかったことなどから嫌気され、時間外取引では一時2%以上下落する場面もあった。

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