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高校教育の質は偏差値には影響を与えないが、仕事をする能力には影響を与えている!

 

 政府の教育再生実行会議が、国立大学入試を学力だけの評価から人物など多面的な評価に移行させる方針を打ち出したことで、大学入試をめぐる議論が活発になっている。
 これまで高校は、大学のペーパー試験をクリアするための通過点として認識されてきたが、大学が人物重視の入試を行うとなると話は変わってくる。このような中、高校教育の「質」が大学卒業後の賃金に大きく影響しているという内閣府の研究成果が発表された。

 内閣府経済社会総合研究所の研究によれば、学校の規模、生徒・教師比率、就職率といった高校教育の質は、学力には大きな影響を与えないものの、大学卒業後の賃金には影響を与えているという。
 この調査研究は、全国の20歳から60歳までの双生児における大規模な追跡データをもとに、高校の質が子どもの学力、賃金に与える影響を回帰分析的に評価したものである。
 双生児は非常に似通った性格や能力を持っていることが多く、後天的な影響の違いを調査するのにふさわしい存在といえる。
 高校の質は大学入学時点の学力(偏差値)には影響を与えないが、卒業後の賃金については、統計的有意性が認められたという。この研究結果が本当だとすると、今後の高校選択のあり方も大きく変わることになるかもしれない。

 学力には影響を与えないが、賃金には影響を与えているということは、高校での教育環境は学力には大きく影響しないものの、仕事をする能力には影響を与えているということを意味している。大学の人物本位の入試がどれほどのものになるのかは現時点では不透明であり、これまでペーパー試験一辺倒で学生を選抜してきた大学に、人物評価も加えた入試をすぐに実施できる能力があるとは思えない。
 だが仮に、人物評価が入試において大きな比重を占めるようになると、同じ学力であれば、コミュニケーション能力やプレゼン能力、文書作成能力などが高い、いわゆる「仕事がデキる」タイプの人の方が合格する確率が上がってくることが予想される。

 これまで高校は、多くの人にとって、大学のペーパー試験をクリアするための存在でしかなく、偏差値だけがその選択基準であった。だが、高校の質が、仕事の能力に影響しているのであれば、人物評価による入試の結果にも違いが出てくる可能性がある。
 偏差値は依然として重要な基準であり続けるだろうが、高校の教育体制も重要な選択基準になるかもしれないのである。こうした動きは、これまで偏差値を上げることだけに血道を上げてきた学校側にも、重い課題を突きつけているといえる。

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