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物価は4カ月連続で上昇。値上げは全品目に波及しつつあるが、これをどう評価すべきか?

 

 総務省は10月25日、9月の消費者物価指数を発表した。代表的な指標である「生鮮食品を除く総合」は前年同月比でプラス0.7%となり、4カ月連続で上昇した。前月比はプラス0.1%でこちらは8カ月連続の上昇となった。
 一方「食料及びエネルギーを除く総合(コアコア指数)」はほぼ横ばいであり、デフレ脱却の実態は単なるエネルギー価格の上昇であることは明らかである。ただエネルギーを始めるとする輸入価格の上昇が、他の物品にも波及し始めており、本格的な物価上昇に転換する兆候も見え隠れする。

  アベノミクスはデフレ脱却を第一の目標に掲げており、量的緩和もその方針に従って実行されている。代表指数は年初からすでに1.4%も上昇しており、この指標だけを見れば2%の物価目標の達成は容易に見える。
 だが日銀が主要指標としているコアコア指数は横ばいであり、依然としてデフレから脱却してないことを示している。

 これまでは円安によって輸入価格の上昇が続いていた。年初からの物価上昇率を品目別で見ると、電気代、衣類、旅行、AV機器など、円安の影響が大きい分野の値上がりが顕著である。
 だが最近では、調理食品、外食、家庭用耐久財など、原材料価格上昇の最終価格への転嫁を抑えてきた品目の値上がりが目立っている。このままいくと、輸入価格の上昇が全体に波及し、すべての品目においてインフレ傾向に転じる可能性が高くなってきている。

 そうなってくると、この状態をどう評価するのかが問題となってくる。原因はともあれ、インフレ傾向に転じれば、デフレ脱却は成功であり、アベノミクスの最初の目標はクリアすることになる。
 いわゆるリフレ派と呼ばれる人々は、内容はともかくデフレから脱却することが重要と主張するかもしれない。これに反対する人々は、単なる現象としてのインフレは実質成長をもたらすわけではないので、輸入インフレでは意味がないと考える可能性が高いだろう。

 どちらが正しいのかは、物価上昇がどのように実体経済に波及するのかで決まってくる。物価の上昇が実質的な経済成長をもたらす道筋はいくつかあるが、日本の場合、家計はほとんど株式を所有していないので、インフレ期待による資産効果はほとんど期待できない。また実質金利の低下は企業の投資活動にそれほど大きな影響を与えない可能性が高く、今のところ設備投資は復活していない。

 一方、安倍政権は世論を強く意識しており、賃上げに対して強い執着を見せている。もし企業側が政府の要求を受け入れ、賃上げを実施すれば、名目上の物価はさらに上昇することになるだろう。
 だが、賃金を先に上昇させてしまうと、1970年代の米国がそうであったように、賃金上昇が実質成長に寄与せず、名目上のインフレを加速させてしまう可能性が高い。もしそうなってしまうと、むしろ購買力の低下が庶民の間に強く認識され、政権にとっては逆効果となってしまうかもしれない。

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