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米国を中心にエコノミー席の幅をより狭くする動き。果たして日本の飛行機は?

 

 米国の航空会社を中心にエコノミー席の座席をより狭くするケースが増えてきているという。日本と異なり、米国では飛行機は街中の路線バスと同じような存在であり、安価だがサービスの悪い乗り物の典型となっている。一方、日本の航空業界は典型的なガラパゴス状態で、マーケットは年々縮小している。価格は高いが、サービスはそれほど悪くないという状況が続いており、幸か不幸か、LCCの登場後もいまだに飛行機はちょっとした贅沢という人は多い。

 米国の航空会社が新しく導入する機材では、約7割がシートのピッチや幅を縮小しているという。大型機における主力機材であるボーイング777では、従来エコノミー席は9列のものが多かったが、10列にするケースが増加している。またシートピッチも短くなっているという。

 一方、ビジネスクラスはサービスの向上が進んでいる。国際線ではフルフラット・シートは当たり前になりつつあり、ファーストクラスとの差が縮まっている。またエコノミーにプラスアルファの料金を加えるプレミア・エコノミーの座席幅は従来のまま据え置いていることろが多い。
 客単価が極めて安いエコノミーはできるだけ乗客を詰め込み、かなりの高額料金を取れるビジネスは、顧客の囲い込みのためにサービスを向上させているわけだ。

 80年代の規制緩和以降、航空運賃の価格破壊が進み、飛行機はバスや鉄道と同じような存在になった。手軽に誰でも乗れる代わりにサービスは悪い。
 一方、日本の航空会社は手厚い規制に守られガラパゴス状態が続いている。米国や欧州の飛行機による旅客輸送量は何と日本の10倍以上ある(欧州は日本と同様、鉄道が発達していることを考えると驚異的な数字といえる)。しかもここ10年で市場規模は1.5倍に拡大したが、日本は逆に輸送量の減少が続いている。
 少ない旅客の奪い合いにならないよう、規制で新規参入を抑制し、高い運賃を維持する構図となっており、シートを狭くしても乗客を詰め込みたいという状況ではない。日本の航空会社における運航コストは、欧米大手エアラインの約2倍、LCC(格安航空会社)との比較では3倍から4倍となっている。日本でもLCCが登場しているが、空港の施設使用料など官側に支払うコストが高いという構造的な問題があり、大手と比べて運航コストが大幅に安いわけではない(日本のLCCの運賃が思いのほか高いのはそのためである)。

 結果として日本の飛行機は、運賃はバカ高く、公務員の利権になっているものの、米国ほどサービスが悪いという状況には陥っていない。これを喜ぶべきものとするのか、改善すべきものとするのかは、経済や産業に対する価値観によって異なるのだろう。

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