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業績回復も岐路に立たされるMSとインテル。旧世代IT企業はスマホを攻めるべきか?

 

 マイクロソフトやインテルといった旧世代IT企業の業績に回復の兆しが見え始めている。両社はこれまでスマホ対応に苦慮してきたが、この市場を攻略できた結果ではない。業績回復は、スマホ・シフトに伴うクラウド化の恩恵を受けたものであり、状況は微妙だ。本当にスマホそのものへのシフトを進めるべきなのか、いよいよ岐路に立たされたといってよいだろう。

 米マイクロソフトが10月24日に発表した7~9月期決算は、同四半期としては過去最高益となった。売上高は前年同期比約16%増の185億2900万ドル(約1兆8000億円)、営業利益は同19%増の63億3400万ドル(約6176億円)、純利益が同 17%増の52億4400万ドル(約5113億円)だった。

 同社はこれまでスマホ・シフトの影響でパソコン用基本ソフト(OS)の低迷に悩まされてきた。今回の決算でも基本的な構図は変わっていない。パソコン用OSである「ウィンドウズ」の売上げは前年同期比を下回っている状況だ。一方、業績に大きく貢献したのは、企業向けの製品やサービスを中心とする「コマーシャル部門」で、こちらの売上げは10%増の111億2000万ドルだった。
 コマーシャル部門の売上げが増加したのは、クラウド・サービスが好調だったからで、これは明らかにスマホ・シフトの恩恵を受けている。だが肝心のスマホ本体は散々な状況だ。同社のスマホOSのシェアは数%に過ぎず、タブレット端末「サーフェス」の販売もわずか4億ドルだ。

 半導体世界最大手のインテルもようやく減収傾向に歯止めがかかっている。だが同社もスマホ向けチップは業績にほとんど貢献しておらず、収益の多くがクラウド・サービスの増加によるものとなっている(本誌記事「売上減に歯止めがかかった米インテル。次はスマホ市場を攻略?」参照)。

 両社はかつてパソコンがIT市場の主役だった時代には市場で圧倒的な影響力を持ち「ウィンテル連合」などと呼ばれていた。だがスマホの登場でパソコン市場が低迷し、両社の影響力も低下が目立つようになってきた。
 今回の決算で、間接的にはスマホ・シフトの恩恵を得ることができたわけだが、スマホ本体の開拓はまだこれからである。マイクロソフトは2013年9月に54億4000万ユーロ(約7140億円)を投じてノキア(フィンランド)の携帯電話事業を買収しており、これをテコにスマホ市場を攻略する方針だ。またインテルもスマホ向けチップの本格的な投入を2012年から開始している。来年以降は、徐々にその効果が決算に反映されてくるはずだ。

 スマホは新興国市場の開拓によって、安価なコモディティ製品へのニーズが高まっている。卓越した企業体力を持つ両社が、今後本格的にスマホ市場を攻略した場合には、従来のシェアは大きく変動することになるかもしれない。
 ただ、スマホは単価の安い消耗戦を強いられるマーケットになる可能性が高いことを考えると、両社は企業向け製品やサービスに特化した方がよいとの考え方もある。業績回復のメドが立った今、スマホ市場を目の前にして、両社は本当の意味で岐路に立たされているといってよいのかもしれない。

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