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財政再建にメドを付けた米国。財政が悪化する日本。すべては金利次第という驚愕の事実

 

 米財務省は10月30日、2013年度の財政収支を発表した。財政赤字の規模が当初の予測から約4割減少し、5年ぶりに赤字額が1兆ドルを下回った。一時は財政赤字の増加に苦しんだ米国だが、着実に財政再建が進みつつあり、財政悪化が一段と進む日本との違いが鮮明になってきている。

 2013会計年度(2012年10月~2013年9月)の歳入は、約2兆7740億ドル(約272兆円)で、前年度比で3.3%増加した。歳出は前年度比2.4%減の約3兆4543億ドル(約339兆円)だった。財政赤字は6800億ドル(約67兆円)となっており、1兆ドルを大きく下回った。
 財政赤字のGDP比は4.1%、米国の政府債務残高は現在11兆9820億ドル(1174兆円)なので、政府債務のGDP比は72.1%である。

 一方、日本政府の2013年度予算における歳出は約43兆円、歳出は約93兆円なので、財政赤字は約50兆円となっている。財政赤字のGDP比は10%、政府債務は約750兆円あるので公的債務のGDP比は161%になる(地方の債務を入れるともっと大きくなる)。債務の定義などが異なるためまったく同一には比較できないが、米国の2倍以上の債務を抱えている計算だ。日本の財政が危険だといわれる理由はここにある。
 一部からは日本政府は資産をたくさんもっているので問題ないとの指摘があるが、資産を差し引いたネットでの公的債務比率も日本は先進国でトップである。また日本政府が保有する資産のうち、優良な金融資産は100兆円程度しかなく、資産を保有しているから大丈夫というのは幻想でしかない。地方を合わせればGDP比2倍超の債務を抱えているという状況は、現実的問題と捉えた方がよい。

 政府は2020年までに基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字にするという公約を掲げている。だが現在の状況が続けば、消費税を10%に上げても財政収支黒字化は到底不可能である。だが本当の問題は、基礎的財政収支にあるのではない。利払いを含んだ一般的な財政収支こそが重要となる。なぜなら、2020年の時点ではほとんどの国債が現在の国債から入れ替わっており、金利上昇の影響をモロに受けるからだ。

 現在の政府による試算は、2%程度の物価上昇が安定的に推移する前提で利払いが想定されている。もし2020年時点で金利が想定されているレベルの2倍になった場合には、ざっと計算すると財政赤字はGDP比で13%に達する可能性がある。
 現在の試算はアベノミクスが大成功し、消費税はスケジュール通り10%に増税、金利も安定的に推移したと仮定しての話である。これらのうちどれかが欠けてしまえば、財政再建など夢のまた夢になってしまう。もっとも恐ろしいシナリオは経済が今後も横ばいが続き金利だけが3%超の水準に上昇するというものである。そうなってしまうと、税収とほぼ同じ金額を利払いと償還に充てる必要が出てくるため、財政の持続は不可能となる。

 ちなみに米国は現在の状況が続けば2020年には財政赤字のGDP比は2.2%に低下し、公的債務のGDP比は現状を維持することができる。米国は財政再建にほぼ道筋をつけた状況であり、相対的に日本の財政リスクがクローズアップされることは間違いない。
 高い経済成長が継続しない限りは、財政支出の大幅削減なしに財政再建は不可能であるという事実を、そろそろ国民は認識する必要があるだろう。

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