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中国共産党庁舎爆破事件。動揺が走るも中国の体制崩壊につながる可能性は低い

 

 中国北部の山西省太原市で11月6日、連続爆破事件が発生した。中国共産党省委員会の庁舎の正面で爆発物が連続して爆発し、1名が死亡、7名がケガをした。ケガ人のうち1名は重傷だという。
 10月28日に発生したウイグル族による爆破事件とは無関係と考えられているが、中国共産党の重要な会議である党中央委員会第3回全体会議(3中全会)の開催を前に爆破事件が相次いでいることに中国では動揺が広がっている。

 事件が発生したのは、11月6日の午前7時すぎ。党委員会庁舎の周辺で少なくとも7回から8回の爆発があった。
 爆発物は、党委員会庁舎正面の歩道の植え込みなどに設置されたと見られており、内部には殺傷力を高める目的で、パチンコ玉よりも大きい鉄球やクギなどが多数入れられていた。このため爆発物の周辺では、割れたガラスなどが多数散乱し、血痕も多く残されている。

 当初はウイグル族による反政府運動との関連性も考えられたが、容疑者として身柄を拘束したのは、ウイグル族ではなく過去に窃盗歴がある人物だった。公安当局では現在、動機の解明を進めている。山西省は中国でも有数の石炭の産出地域で、石炭産業で財をなした富豪が多数居住していることで知られている。炭鉱利権をめぐる政治的争いが激しく、地方政府の腐敗も指摘されていた。こうした背景も犯行の動機になっている可能性がある。

 党中央では、ウイグル族による天安門広場の爆破事件とは異なり、ネット上に掲載された現場写真の多くを削除させておらず、メディアに対する規制も行っていない。こうした対応の違いが出ているのは、今回の事件は、ある程度社会に認知させることで、庶民のガス抜きを図る意図があると考えられる。

 中国は今後、10%台という驚異的な経済成長は見込めないことから、7.5%程度の穏やかな成長を維持する方向に舵を切っている。だが安定成長に移行してしまうと、経済水準の向上で庶民の不満をそらすことが難しくなる。このため習近平政権では、地方政府レベルを中心に、党幹部の腐敗を厳しく摘発し、庶民の不満が共産党全体に波及しないよう腐心している。一方で少数民族の独立運動に対しては徹底的に弾圧を加える方針だ。

 中国の庶民が共産党幹部を中心とする特権階級に対して大きな不満を持っているのは事実である。だが、一連の爆破事件について、民衆の不満が限界点まで達しており、中国の制度が崩壊ギリギリの状態となっているサインと理解するのは早計だろう。1989年の天安門事件や古くは1970年代の文化大革命の例を見るまでもなく、中国は、いざとなれば躊躇なく民衆を徹底弾圧する国であり、共産党には「暴力」という最終手段が残っている。

 だが少なくともしばらくの間、民衆の不満に対して党中央が耳を傾ける必要があるのは事実であり、経済政策のあり方も含めて神経質な展開が続くことになるだろう。日本に対する強硬姿勢もこうした世論コントロールに使われる可能性がある。

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