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大阪で路上ライブ合法化の動き。だが区役所職員がアーティストを「認定」って・・・・

 

 大阪の自治体では、合法的に路上ライブをできるスペースをアーティストに提供し、これを地域活性化に生かそうという試みが行われている。だが、お役所的発想が抜けず、そのやり方には少々ぎこちなさも見え隠れする。日本は公共スペースの有効活用が下手だといわているが、こうした路上ライブの取り扱いは、その象徴的な事例といえるだろう。

 路上ライブは、基本的に条例や法律で禁止されている。このため、多くのアーティストはゲリラ的にライブを行うことが多いのだが、最近は繁華街の再開発が進んだことで地域商店や通行人とのトラブルも増えてきている。
 日本一の超高層ビルがそびえる大阪の「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)では、こうした事態を受け、大阪市と大阪府警が、歩道橋で演奏するアーティストに演奏をやめるよう指導を強化している。
 ただ、この場所は人気デュオ「コブクロ」が巣立った場所で、ミュージシャンを目指す若者にとっては「聖地」と呼ばれている。路上ライブを行っているアーティストからは不満の声も聞かれる。

 そこで、大阪市の福島区では、地域振興策の一環として、区が警察に道路の使用許可を取って、駅前にスペースを確保、ストリート・ミュージシャンをそこで活動させるという、なかなか画期的な取り組みを始めた。だがその内容はというと、かなりお役所的な雰囲気が漂っている。

 福島区の取り組みに対しては、多くの演奏希望者がエントリーしているそうなのだが、何と歌の上手下手を区役所の職員が採点した上で演奏できるアーティストを「認定」しているというのだ。中にはあまりにもひどい演奏者もいるのだろうが、それにしても区役所の職員にアーティストの才能を判断する能力があるとはとても思えず、「小学校の学芸会でもあるまいし」との声も聞こえてくる状況だ。
 関東でも一部の自治体が同じような取り組みを行っているが、横並び体質のせいか、多くが似たようなシステムを採用している。

 路上ライブをめぐるこうした一連の動きは、公共スペース活用に関する様々な問題を浮き彫りにしている。確かに公共スペースの利用を無制限に認めてしまうと、露天販売や何らかの勧誘、政治活動など、様々な人が場所の利用を求め、収拾がつかなくなる可能性がある。このため、公共スペースの利用については厳しい制限を設けるとの考え方には一定の合理性がある。
 だが現実には、募金活動で道路の使用許可が降りることはあっても、路上ライブで許可が下りることはまずない。音楽活動については、実質的にすべて禁止されていると考えてよい。

 海外では、一定の範囲でこうした音楽活動を許可するところも多く、市民の価値観や生活スタイルが多様化している時代背景を考えると、こうした活動はある程度、認められてもよいと考えられる。
 出演者は、くじ引きなど公平に選抜するのが本来の姿であり、海外ではそうなっているケースも多い。また選抜を行うにしても、オーディション制を採用し、そのオーディション自体をイベントにしているところもある。区役所の職員が「審査」して「認定」するという上から目線ではなく、もっと柔軟な発想が必要だろう。さらに言えば、自治体などの公的機関が主導していなくても、一定基準を満たす活動には使用許可を出すような姿勢があってもよい。

 そのためには、地域の住民や路上ライブを実際に行っているアーティスト、商店街関係者など、様々な立場の人を議論に参加させる仕組みが必要となる。そのような仕組みがあれば、黙っていても、よいアイデアが出てくるはずだ。自治体の職員に求められているのは、そうした住民の力をうまくコーディネートするコミュニケーション能力なのである。

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