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イエレン氏の議会証言声明文。内容は予想通りで、失業率を重視し緩和継続へ

 

 米FRB(連邦準備制度理事会)は、バーナンキ議長の後任に指名されたジャネット・イエレン副議長の議会公聴会に先立ち、議会証言の声明文を発表した。以前から予想されていた通り、イエレン氏は失業率を極めて重視しており、声明文にもそれが色濃く反映される形となった。現在7.3%となっている失業率が明確に低下しない限りは、緩和策を継続する可能性が高い。

 イエレン氏は冒頭で、米国経済は強く回復しているとしながらも、金融危機で失われたものを取り戻すためには、まだ長い道のりが必要であるとした。また7.3%の失業率は「高すぎる」としており、現状の雇用市場にはまったく満足してないことを強調した。
 米国の失業率があまり下がらないことについては、米国の景気回復が不十分であることのサインとする見方と、産業構造の転換が原因でありジョブレスリカバリー(雇用なき景気回復)になっているだけという見方に分かれている。
 事前の予想通り、イエレン氏は前者に属しており、失業率の数字を極めて重視していることがはっきりしたことから、市場では当分の間、緩和が継続するとの見方が広がっている。

  懸念される出口戦略については「力強い経済の回復が、量的緩和策への依存度を減らすためのもっとも確実な方法である」とし、十分な緩和を行うことが、逆に出口戦略を容易にするとの見方を示した。この点についても、市場は緩和の長期化を示唆するものと捉えている。
 またインフレ率については、将来的にも低く、安定した状態を保つことが望ましいとしており、当分の間、2%以下という現在の水準を継続させる方針であることを明らかにした。

 金融システムの安定化については、自己資本規制の強化、手元資金の確保、さらには監督の強化など、十分な対策を取る必要があるとしており、これらは「大きすぎてつぶせない」という問題に対処するための重要な方策であるとの認識を示した。

 イエレン氏による声明を受けて、ニューヨーク株式市場ではダウ平均株価が約0.5%上昇し、債券市場では逆に1.6%金利が低下した(債券価格は上昇)。7日に発表された7~9月期のGDPは年率換算でプラス2.8%と良好な数値だった。続く8日に発表された雇用統計も非農業部門雇用者数(季節調整済み)が前月比で20万4000人の増加となり、事前予想を大きく上回った。
 好調な指標が続く中での慎重論であり、緩和継続ということになるので、株式市場は当分の間、堅調な動きが続くことになるだろう。

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