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バチカン銀行の改革でマフィアとトラブル?フランシスコ法王の改革は進むのか?

 

 フランシスコ新法王の下、バチカンでは金融システム改革が進められている。フランシスコ法王は、透明性が低く一部からはマネーロンダリングの疑惑も指摘されていたバチカン銀行の経営体制を刷新しようとしている。だがこの動きに対しては一部から警戒する声が上がっている。

 イタリアのマスメディアでは、南部カラブリア州の検察当局がマフィアの動きを警戒していると報道されている。カラブリア州はマフィアの活動が活発といわれている地域だが、バチカン銀行のマネーロンダリングの恩恵を受けていたマフィアの一部が、バチカンの新体制に対して反発しているというのである。

 これらは憶測をもとにした報道であり、どの程度、信憑性があるのは定かではない。だがこれまでバチカン銀行がマフィアによる資金洗浄と深く関係していたのは事実であり、荒唐無稽な話というわけではない。バチカン銀行とマフィアに関連したスキャンダルは過去に何度も起きているからである。

 もっとも有名なのは1978年に起きたヨハネ・パウロ1世の暗殺疑惑である。本誌も含め、世間ではバチカン銀行と呼んでいるが、実際にバチカン銀行という銀行は存在しない。宗教事業協会という名称の団体のことを通称バチカン銀行と呼んでいるのだ。この団体は、バチカンの完全な独立を保証した有名なラテラノ条約による賠償金を元に設立された資金運用組織で、実際の資金業務は民間の金融機関を通じて行われている。

 莫大な資産の運用という利権が存在するため、この組織は何かとスキャンダルの温床になりがちである。1970年代には、米国人のマルチンクス大司教がマフィアと組んで大規模な資金洗浄を同行を通じて行っていた。
 1978年に法王に就任したヨハネ・パウロ1世はバチカン銀行の改革に着手したが、就任後わずか33日で死去してしまった。その後、バチカン銀行の主力取引行が破綻し頭取が謎の自殺を遂げたり、この件を捜査していた捜査官が殺害されるなど、不可解な事件が相次いだことから、事件へのマフィアの関与が噂された。

 日本でもみずほ銀行の暴力団融資が問題視されているが、数百年も欧州の地域生活に密着してきたカトリック教会が、地域の犯罪組織との関係を100%絶つことはなかなか難しい。だが1970年代と異なり、カトリック教会をはじめとする特権的組織に対する透明性の要求はかなり高まっている。またフランシスコ法王は歴史上初のイエズス会出身の法王であり、改革への意欲は高いといわれている。バチカンの金融システム改革は、ゆっくりとしたものかもしれないが、着実に進んでいくことになるだろう。

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