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中国が今後の改革における主要項目を発表。あまりにも多い日本との共通点

 

 中国共産党は、党の重要な会議である第18期中央委員会第3回全体会議(3中全会)が11月12日に閉幕したことを受けて、今後の改革の重点項目を示した「改革の全面的深化における重大問題に関する決定」(「以下決定」)の全文を公開した。ここには中国が現在抱える社会的な問題が色濃く反映されており、日本との共通点も多いことが分かる。

  決定においてもっとも重要な問題として位置付けられているのが中国の人口問題である。

 中国は人口の急増を抑制するため長く一人っ子政策を続けてきた。これによって人口の爆発的な増加は抑えることができたが、高齢化が日本以上のスピードで進展する結果となっている。これによって十分な年金制度が構築できない、労働力が不足するといった事態が予想され、党にはその対策が求められていた。

 決定では、計画出産という基本方針は堅持しながらも、「単独二胎」(夫婦のどちらかが一人っ子なら、第2子の出産を認める政策)の開始を発表した。また同時に定年の引き上げも実施することを決定した。日本ではすでに構築した年金制度の破綻が懸念されており、中国ではこのままでは十分な年金制度が構築できないことが懸念されているという違いはあるが、生産年齢人口の相対的な減少という意味では、抱えている課題は共通だ。

 また大学の入試改革や企業環境の整備も、広い意味で人口動態と大きく関係している。中国は急速に豊かになったため、大学への進学率が急拡大したが、中国経済には大量の大卒者をすべて受け入れる厚みはまだない。中国の大卒者の35%は就職できない状況となっており、ペーパー試験一辺倒の画一的な試験制度にも批判が集まっている。
 日本ではちょうど大学院卒業者に同じような現象が起こっている。日本がなかなか知識産業に移行できないので、大量の大学院卒業者を社会が持てあましているのである。決定では多元的な選抜システムへ移行するとしており、これも現在の日本とよく似た状態といえるだろう。

 起業環境の整備も同じだ。中国は日本と比べるとベンチャー企業の活動は活発だが、その実態は欧米とは大きく異なっている。党や政府にコネがある人物が、それを利用してビジネスを起こすというパターンが多く、その意味では日本と同様、起業大国とはいえない。決定では、政府が起業に対するインセンティブを与え、起業をしやすくするという。これには大卒者の就職対策も含まれていると考えられる。

 最後は農村改革とエネルギー価格に対する市場メカニズムの導入である。中国の農地は国が保有しており、厳密な意味での所有権は農民にはない。決定ではこれを順次緩和し、株式会社の許可など、事実上の所有権に近い形態を導入するとしている。日本も農地の株式会社による運営は禁止されており、中国ほどではないが、それに近い制限がある。TPPの導入をきっかけに、日本でも農地に関する制限の緩和が検討されているが、あまり進展していない。
 水、電気、ガスなどのエネルギー価格も同様である。よく知られているように、日本の電気供給は電力会社による地域独占が保証されており、中国の統制価格制度に近い状況となっている。中国で市場メカニズムの導入が進めば、場合によっては日本よりも市場化が早く進むことになるかもしれない。

 このように、日本と中国は、レベルこそ大きく異なるが、共通の社会的課題を抱えていることがよく分かる。中国は日本が抱える問題を研究し尽くしており、「日本化」による長期停滞を防ごうという意識が非常に強い。日本がこのまま改革を怠っていると、中国の改革に学ばなければいけないというような事態にもなりかねないのだ。

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