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OECDが世界経済見通しを下方修正。米国への依存度高まる。日本は来年以降失速

 

 OECD(経済協力開発機構)は11月19日、最新の世界経済見通しを発表した。2013年における全世界のGDP成長率はプラス2.7%と前回(2013年5月)見通しのプラス3.1%から下方修正となった。2014年の見通しについても3.6%としており、やはり前回の見通しである4.0%から下方修正している。新興国の成長鈍化や欧州のデフレ傾向で、米国経済への依存度が高まっている。

  相対的に最も好調なのは米国で、2013年はプラス1.7%、2014年はプラス2.9%の成長を見込んでいる。
 一方欧州は2013年はマイナス0.4%、2014年も1.0%成長にとどまる。日本は2013年は1.8%を見込んでいるが、2014年には1.5%、2015年には1.0%と年々成長が鈍化するとの予想だ。
 失速が懸念される中国は、2013年はプラス7.7%だが、2014年はプラス8.2%に上昇すると見込んでいる。財政刺激策と構造改革の進展が成長を回復させるとしている。

 OECDの経済見通しは、先月に発表されたIMF(国際通貨基金)の見通しとほぼ同じ内容になっている。IMFでは2013年の世界経済についてプラス2.9%、2014年についてはプラス3.6%という予測を立てている。新興国の失速で米国依存度が高まっている点でも同じだ。

  OECDでは欧州のデフレ傾向に強い懸念を表明している。ユーロ圏の10月における消費者物価指数は前年比0.7%にとどまり、4年ぶりの低水準となった。ECBは利下げを発表しているが、OECDでは欧州が日本のような長期デフレスパイラルに陥ることがないよう、量的緩和の実施を提言している。

 日本については、消費税増税を歓迎する一方、政府債務水準の高さに懸念を表明している。また日本が順調な成長軌道に乗るために、構造改革が必要との見解も以前と同様に示している。
 OECDは基本的に、財政再建を最優先し、非効率な経済構造を改革することが長期的な成長をもたらすという立場で各国経済の評価を行っている。OECDのこうしたスタンスに対しては否定的な見解も存在するが、少なくとも日本が公共事業に依存した経済構造に戻ってしまっていることは事実である。

 11月14日に発表された日本の7~9月期のGDPは年率換算でプラス1.9%と前期から大幅に減速した(本誌記事「7~9月期のGDPは市場予想より大幅減。ますます高まる公共事業への依存体質」参照)。特に問題なのはその内容で、GDP成長の半分が公共事業を中心とした官公庁需要によるものとなっている。
 OECDにおいて日本の成長が鈍化すると見込んでいるのは、日本がこれ以上、大型財政出動を継続するのは不可能と判断しているからである。
 日本の産業構造はバブル崩壊以降、ほとんど変化しておらず、時代遅れになってきている可能性が高い。何らかの産業構造転換がないと、長期的な成長の道筋を描くことはできないというOECDの指摘は大筋で合っていると考えるべきだろう。

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