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ドル円が心理的節目である100円を完全突破?関係者の多くは円安継続を予想

 

 為替市場において、心理的な節目となっていた1ドル=100円のカベがとうとう破られた。ドルは2013年11月14日の終値で100円を突破し、その後、じりじりと値を上げている。短期的には円高への揺り戻しの可能性はあるものの、多くの市場関係者がマクロ的な環境から円安はさらに進展すると見ている。

 2013年5月に1ドル=100円を突破して以降、為替相場では、100円を超えると再び90円台に戻るという動きを繰り返してきた。
 為替取引の世界には、これまでの為替の値動き(チャートの形状)から将来を予測するテクニカル分析という手法がある。テクニカル分析的に見れば、ここ数ヶ月は「三角持ち合い」の状態ということなり、そろそろ円高か円安に大きく動き始めるタイミングであった。もし本当に持ち合いが解消ということであれば、当分、円安が続くことになる。

 テクニカル分析についてはいろいろな見解があるが、マクロ経済的な立場においても円安継続を示唆する材料はいくつか揃っている。ひとつは米国経済が堅調であること、もうひとつは日本の経常収支と物価の動向である。

 11月7日に発表された米国の7~9月期の実質GDP成長率は年率換算でプラス2.8%と良好な結果だった。続く8日に発表された10月の雇用統計は非農業部門雇用者数(季節調整済み)が前月比で20万4000人の増加となり、事前予想を大きく上回った。この数字は米政府機関閉鎖後のものであり、政府機関閉鎖が景気にそれほど影響を与えていないことが明らかになった。これによって市場には楽観ムードが広がっている。
 中長期的に見ても、ドル高の要素は多い。米国はシェールガス開発の進展で世界最大のエネルギー輸出国に変貌しようとしている。米国のエネルギー輸出が本格化すれば、原油価格は安定し、米国の経常収支は劇的に改善することになる。これはドルに対する買い材料となる。

 一方、日本の7月~9月期にGDP成長率は年率換算1.9%だが、これは大型公共事業と消費税前の駆け込み需要が大きく影響している。IMF(国際通貨基金)やOECD(経済協力開発機構)では、来年以降、日本の経済成長は大幅に落ち込むと予想している。
 また、日本の輸入額は増加の一途を辿っており、このペースが続けば、早ければ来年にも経常収支が赤字に転落する可能性が出てきている。経常収支が赤字になれば資金の流出が想起されるため、円安が加速する可能性がある。

 為替を決定する要因は様々だが、経験則上、もっとも大きな相関性を持っているのは物価である。最終的に円安トレンドが継続するのかは、今後の物価動向にかかっているといってよい。
 日銀は2%の物価目標を掲げて量的緩和を行っているが、2%の物価上昇を実現するのは困難との見方が多い。だが円安によって輸入物価は着実に上昇しており、これが全体の物価を押し上げつつある。輸入物価の上昇と経済成長の停滞が重なると、国民にインフレ警戒感が出てくることになるが、これはさらなる物価上昇を引き起こす。

 日銀が設定した目標値に達するのかともかくとして、物価上昇が継続的になれば、円は確実に安くなってくる。1ドル=100円以下という時代が長く続いたが、それは過去のものになろうとしているのかもしれない。

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