ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

米軍がフィリピンの巨大軍事基地を復活。太平洋の重要拠点は日本ではなくなっている

 

 米軍がアジア太平洋地域に対する軍事力のシフトを強化している。

 フィリピン政府は、フィリピン・ルソン島のスービック湾において、新たな軍事基地の建設を計画していることを明らかにした。

 この地域には、かつてアジア最大級のスービック米軍基地があったところ。1991年にフィリピン政府が使用期限の延長を拒否したため、米軍は撤退していた。

 今回の基地建設は、スービック基地の跡地を利用して行われ、しかもフィリピン政府は同地域を米軍が利用することについて米国と基本合意したばかりだ。つまりアジア最大の米軍基地であったスービック基地の事実上の復活ということになる。

 この背景には当然中国の台頭がある。これまで米国のアジア太平洋戦略は、米ソ冷戦を軸に組み立てられており、戦略的な重要拠点は日本であった。
 だが冷戦が終了し、中国の影響力が高まる中、地政学的に重要な地域は、東太平洋(日本)から西太平洋にシフトしている。米軍はこれをうけて沖縄から海兵隊を一部撤退させ、オーストラリアに再配備している。今回のスービック基地復活もその流れの延長戦上にある。

 日本では、尖閣諸島問題を背景に、米国が中国に対する警戒感を強めることを歓迎するムードが一部にある。だがことはそう単純ではない。米軍が対中国戦略を強化するということは、日本を含む東太平洋地域を重視しなくなるということの裏返しでもある。

 中国との交渉次第では、現在米国と日本が共同で保持している東シナ海や日本海の制海権を中国に明け渡し、日本を中国に事実上プレゼントするというドライな戦略もあり得るのである。また地政学的なパワーの流れに合わせて、マネーの流れもインドシナ半島からオーストラリアにかけての一帯にシフトする可能性もある。

 日本ではオスプレイの安全性問題にばかり目を奪われているが、もっと大きなモノを失いかけている可能性もあるのだ。

 - 政治

  関連記事

hamada
浜田内閣参与の増税延期発言によって明らかなった、異次元緩和の波及メカニズム

 安倍首相のブレーンで内閣官房参与を務める浜田宏一米エール大名誉教授が、2014 …

barroso02
EUが加盟6カ国の財政目標を緩和。とうとう緊縮路線からの転換を表明

 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は5月28日、フランスやスペインなど …

mof03
軽減税率の財源をめぐる議論が活発化。外為特会という埋蔵金活用プランも

 国会の論戦がスタートしたことで、消費税10%への引き上げに伴って導入される軽減 …

businessman
生活は良くならず努力しても報われないが、心は豊かという調査結果をどう見る?

 「努力しても報われない」が「心が豊かである」と考える日本人の割合が急増している …

takusin
タイで再びタクシン派と反タクシン派の政治対立が激化。タイ政治の日本との共通点とは

 タイで再び政治対立が激化している。タイ国会で与党が提出した恩赦法案に対して野党 …

abeshouhizei
法人減税の急浮上によって、政府内部の財政をめぐる綱引きが激化

  安倍政権が消費税の増税と、これに対応した総額5兆円の経済対策を発表したことで …

no image
殺人エレベータ?シンドラー社製でまた死亡事故。前回の教訓で社長はとりあえず謝った

 金沢市の「アパホテル金沢駅前」で31日午後、エレベーターに挟まれてパート清掃員 …

abeseichou03
安倍首相が成長戦略第3弾を発表。全体像が見えてきたが市場の失望を誘う内容

 安倍首相は6月5日、都内で講演し規制緩和を軸とした成長戦略の第3弾を発表した。 …

tenanmonjiken
天安門事件から25年。中国国内は厳戒態勢だが、香港だけは追悼集会を実施

 中国で民主化運動の学生らを弾圧した天安門事件から25年が経過した2014年6月 …

putin02
ロシア軍がウクライナ南部をほぼ掌握。脳裏をよぎるのはかつてのクリミア戦争?

 ウクライナ南部のクリミア半島でロシア軍と見られる部隊が展開し、半島全域をほぼ掌 …