ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

コアコア指数もとうとうプラス転換。輸入価格の上昇でとうとう本格的インフレがスタート?

 

 日本経済は長期にわたるデフレが終了し、インフレへの転換が始まった可能性が高い。だがそれは、内需の拡大に伴う健全なデフレ脱却ではない。輸入物価の上昇によるインフレであり、このまま価格上昇が進めば家計は確実に苦しくなってくるだろう。

 総務省は2013年11月29日、10月の消費者物価指数を発表した。
 代表的な指標である「生鮮食品を除く総合」は前年同月比でプラス0.9%となり、6カ月連続で上昇した。前月比はプラス0.2%で、こちらは9カ月連続の上昇もしくは横ばいとなった。
  一方「食料及びエネルギーを除く総合(コアコア指数)」についても、とうとう前年同月比0.3%と上昇に転じた。これまでは、デフレ脱却といっても単なる輸入価格の上昇だったが、コアコア指数の上昇は、輸入価格上昇が他の物品に波及し始めたことを示している。
 このままコアコア指数の上昇が続けば、日本経済は本格的にインフレに転換したことになる。

 日本はこれまでデフレが不景気の元凶とされ、デフレを脱却すれば経済が回復するという前提で経済政策が実施されてきた。確かにデフレと不況は表裏一体だが、必ずしもデフレだから不況になるという、一方向の因果関係が成立するわけではない。むしろ不況が続いているので、結果的にデフレになるという面の方が大きい。

 今後は、デフレを脱却しても思いのほか景気が回復しないという形で、デフレが必ずしも不況の直接の原因ではなかったことが明らかになっていく可能性が高い。というのも、今回のデフレ脱却は、明らかに輸入価格上昇に伴う価格高騰だからである。

 今年1月から10月までの間で値上がり率が最も高かったのは、電気代(約10%)、履物(約6.7%)、ガス代(約4.3%)、旅行など(約4.2%)などである。すべて円安による輸入価格の上昇が価格を直撃するものばかりである。
 上記以外の品目については、売上減少を懸念して事業者が価格転嫁を抑制していたが、夏以降、原材料価格を最終製品の価格に転嫁する動きが加速し始めた。最近では、寝具、飲料、菓子、調理食品など、これまで価格上昇とは無縁であった品目の値上げが目立つ。
 夏前までは年初からの比較で価格が上昇した品目は半分程度だったが、10月の調査では約75%に達している。ほぼ全品目で価格上昇となるのは確実であり、日本はインフレに突入した可能性が高い。

 同じインフレでも、内需拡大に伴う自然な価格上昇と、輸入価格上昇が引き金となる価格上昇は、その本質的な意味が異なっている。日本は名目上のデフレ脱却には成功したということになるのかもしれないが、国民の実質的な購買力は低下する可能性が高い。
 「デフレが日本経済を滅ぼす」という謳い文句から一転し、今度は「インフレが日本経済停滞の元凶」と叫ばれる日も近いかもしれない。

 - 経済 , ,

  関連記事

amari
甘利大臣の「賃上げしない企業は恥ずかしい」という発言は、日本経済に何をもたらすか?

 甘利経済財政再生相は10月19日、テレビ番組に出演し「企業収益が上がっているの …

rikejo
ITの分野は米国でもなぜか女性が少ない。リケジョはどこでも引く手あまた?

 米国ではコンピュータ関連のエンジニアは高収入で知られているが、この分野を専攻す …

nomura
大リストラと収益貢献の優等生。野村と三菱の外銀買収で明暗を分けたのは?

 大手金融機関の海外展開力に大きな差が付き始めている。野村ホールティングスと三菱 …

eigyou
営業は「キャラ」が重要なので、AIが普及しても消滅しないというアンケート結果は本当か?

 AI時代になると多くの仕事が消滅するというのは、すでに社会の共通認識となりつつ …

nichigin04
マイナス金利の影響がじわじわと消費者に波及。投信手数料引き上げや年金減額も

 マイナス金利の消費者への転嫁がじわじわと進んでいる。普通預金の口座にマイナス金 …

sumitomochiba
国内化学各社が相次いでエチレン生産から撤退。米国シェールガス革命のインパクト

 住友化学は2月2日、石油化学製品の原料であるエチレンの国内生産を停止すると発表 …

no image
貸し出し増加はやはり無理?積み上がった当座預金残高に銀行は手を付けず

 日銀による異次元の量的緩和から3カ月が経過した。日銀が長期国債を一気に買い占め …

imf201304
日本に財政健全化を強く求めたといわれるG20声明はどう解釈すべきなのか?

 米ワシントンにおいて4月18日と19日、G20(20カ国・地域財務相・中央銀行 …

no image
韓国から通貨スワップ延長の申請未だなし。協定が終了した場合の影響は?

 日本と韓国で締結されている通貨スワップ協定が延長されない可能性が高くなってきた …

tosho002
米国の利上げに市場の関心が集中。増税延期と大型補正にも市場の反応は鈍い

 安倍首相は2016年6月1日、消費増税の再延期と大型の補正予算について正式に表 …