ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

7~9月期GDP下方修正の影響は軽微。むしろ公共事業依存体質が問題

 

 内閣府は12月9日、2013年7~9月期の国内総生産(GDP)改定値を発表した。物価変動を除いた実質GDPは前期比0.3%増、年率換算では1.1%増となった。 11月に公表した速報値では年率換算で1.9%だったので、0.8ポイントの下方修正となる。
 一部からは日本経済が失速しているという声も出ているが、内容を精査すると一時的な落ち込みである可能性も高く、それほど懸念する必要はない。むしろ問題なのは、日本経済が完全に公共事業依存体質になってしまっている点であり、長期的に大きな問題を引き起こす可能性が高くなってきている。

kousokumuryouka

 7~9月期の改定値が下方修正になった主な要因は、住宅投資、政府支出、設備投資、在庫投資がそれぞれ下方修正されたことである。
 このうち在庫投資の減少が比較的大きな影響を与えているが、在庫の減少は必ずしも景気の低迷を意味するわけではない。個人消費は若干ではあるが上方修正されており、もうしばらく様子見が必要である。

 全体としてみれば、7~9月期のGDP成長率が4~6月期に比べて低くなった原因は、輸出と個人消費が低迷したことであり、基本的な状況に変化はない。

 今回の下方修正分の数値はともかくとして、このところのGDP成長における最大の問題点は、日本経済が完全に公共事業依存体質になってしまっている点である。
 7~9月期のGDP成長の内訳を見てみると、内需の中で官需が占める割合は約半分に達している。日本経済は確かに見かけ上、回復はしているが、大型の公共事業を中心とした政府支出に大きく依存した状況であることが分かる。また民需における項目別の伸びでは、住宅投資の堅調さが目立っている。これも消費増税を前にした駆け込み需要であり、一種の政策依存の項目といえる。当然、増税後はこの項目は反動で減少することになる可能性が高い。

 肝心の設備投資はほとんど伸びていない状況が続いており、日本経済は自立的に回復しているとは言い難い。来年は消費税の10%増税が控えており、政府は景気失速を何としても避けたい状況にある。12月5日に発表した5.5兆円の経済対策に引き続いて、政府は来年度予算でも、大型の公共事業を容認する可能性が高い。
 公共事業が続けば見かけ上、GDP成長は維持できる。だが旧自民党政権時代に明らかになったように、日本はすでに途上国ではなく、公共事業が継続的な経済成長につながるような環境にはない。公共事業に依存した経済成長は、財政上の上限があり、いつかは限界が来る。今、最も懸念されるのは、公共事業が麻薬のように日本経済を蝕み、公共事業の継続がストップした時には、もはや自律的な成長が出来ない体質に変貌してしまっていることである。

 - 経済 , ,

  関連記事

viralmedia
今注目のバイラル・メディアは、ネット媒体の収益化に関する壮大な実験場

 米国でバイラル・メディアと呼ばれる新しいネット・メディアが急成長している。日本 …

imfsdr
IMFが人民元のSDR採用を正式決定。猶予期間の設定で人民元改革を要請

 IMF(国際通貨基金)は2015年11月30日、特別引き出し件(SDR)に中国 …

sharpqalcomm
これではタダの受託開発!クアルコムとシャープが交わした驚愕の契約内容

 経営再建中のシャープは4日、米クアルコムとの提携を正式に発表した。市場ではシャ …

nihonbashi201405
三井不動産など増資案件が相次ぐ。インフレ期待の高まりか?

 三井不動産は5月27日、公募増資で最大3246億円を調達すると発表した。同社の …

kurodadenki
旧村上ファンドによる株主提案が可決。株主総会の光景は大きく変わった

 会社提案の議案が次々と可決されるだけの「シャンシャン総会」が当たり前だった日本 …

nyse03
絶好調な経済を背景に米国株への関心が高まる。だが本当に落とし穴はないのか?

 投資家の間で、米国株に対する関心が急速に高まっている。米FRB(連邦準備制度理 …

tosho05
株価の刻み幅を10銭単位に引き下げ。これってどういう意味があるの?

 日本取引所グループが、株価の刻み幅を現在の10分の1に縮小する方向で検討を始め …

no image
インサイダー疑惑で露呈した証券会社の下半身接待。なぜ増えているのか?

 証券会社による一連のインサイダー取引疑惑によって、証券業界の下半身接待の実態が …

american
アメリカン航空の座席トラブル。人為的なものである可能性が高まる?

 アメリカン航空で座席が外れる事故が相次いでいるが、アメリカン航空が機体の緊急点 …

toyota201603
トヨタが営業利益40%減の業績見通し。実は販売台数が年々減少しているという事実

 トヨタ自動車は2016年5月11日、2016年3月期の決算を発表した。予想通り …